☆ESA electron spectrum analyzer

電子が、各方向にどれだけのエネルギーをもって、どれくらい飛んでいるかを測定す るものです。エネルギーの測定レンジは、12eV -- 15keV であり、これより高いエネ ルギーを持つ電子はEIS (electron and ion spectrometer)によって測定されます。 電子は写真の一番上の帽子のような形をしている部分の穴から入ってきます。そして ある決まったエネルギーを持つ電子だけが、測定器の中の電子を受け取る部分に届く ようになっていて、カウントされます。このエネルギーの大きさを、測定器は自動的 に変えることができるため、どのくらいのエネルギーの電子が測定器に向かってどれ くらい飛んできたか分かるのです。 このESAは「のぞみ」の側面に、写真の測定器の高さにあたる方向が「のぞみ」の回 転する(スピンする)軸と垂直になるように取り付けられます。回転軸の方向(範囲 180度)を32に分けて同時に測定し、さらに「のぞみ」が回転することによって、あ らゆる方向からくる電子を捕らえることが可能です。「のぞみ」は1回転するのに、 モードによって異なりますが、8秒かかります。この手法によって、どの方向からど れだけ電子がやってくるか分かるわけです。 このようにして測定された電子のデータは他の測定器から得られるイオンのデータや 中性粒子のデータ、プラズマ波動のデータなどと併せて、まだよく分かっていない火 星の上層大気について調べることに使われます。