☆ISA ion spectrum analyzer

イオンが、各方向にどれだけのエネルギーをもって、どれくらい飛んでいるかを測定 するものです。エネルギーの測定レンジは、6eV/q -- 16keV/q であり、これより高 いエネルギーを持つ電子はEIS(electron and ion spectrometer)によって測定され ます。 イオンといっても、水素イオン、とか酸素イオン、などというように厳密に種類別に 測定するのはIMI(ion mass imager)です。 ISAの測定原理はESA(electron spectrum analyzer)と同じです。イオンは写真の一 番上の帽子のような形をしている部分の穴から入ってきます。そしてある決まったエ ネルギーを持つイオンだけが、測定器の中のイオンを受け取る部分に届くようになっ ていて、カウントされます。このエネルギーの大きさを、測定器は自動的に変えるこ とができるため、どのくらいのエネルギーのイオンが測定器に向かってどれくらい飛 んできたか分かるのです。 このISAは「のぞみ」の側面に、写真の測定器の高さにあたる方向が「のぞみ」の回 転する(スピンする)軸と垂直になるように取り付けられます。回転軸の方向(範囲 180度)を32に分けて同時に測定し、さらに「のぞみ」が回転することによって、あ らゆる方向からくるイオンを捕らえることが可能です。「のぞみ」は1回転するの に、モードによって異なりますが、8秒かかります。この手法によって、どの方向か らどれだけイオンがやってくるか分かるわけです。 このようにして測定されたイオンのデータは他の測定器から得られる電子のデータや 中性粒子のデータ、プラズマ波動のデータなどと併せて、まだよく分かっていない火 星の上層大気について調べることに使われます。