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あかつきプロジェクトより

あかつきプロジェクトを応援してくださっている皆様へ

金星周回軌道投入中”あかつき”は思いもかけぬ事態に遭遇したと考えられ、残念ながら今回の軌道投入は失敗に終わりました。プロジェクトメンバーは悔しい思いをかみしめていますが、この気持ちは応援してくださった皆様も共有していらっしゃると思います。
今回の失敗を受けて昨日、”あかつき”のプロジェクトミーティングが開かれました。以下はそこでプロジェクトメンバーに私が言ったことです。
”日本国民、さらには世界が、今我々がどの様に行動するかを注視している。このまま、多くの人的財政的労力を注いだミッションを無駄にしてしまうのか、さらに将来に向けた教訓をここから引き出し、今回の失敗を乗り越えて新しいミッションを打ち立てていくのか?我々のなすべき事は明らかだ。”
幸い私たちはまだ”あかつき”を手の内にしています。ミッションは失われたわけではありません。まずは原因究明に全力を尽くし、続くミッションで同じ過ちを繰り返さないこと。そして、いまの”あかつき”を無事に飛行させ、そして”あかつき”の弟、妹達を宇宙に旅立たせ、人類の知識の獲得に向けて邁進すること。これが我々宇宙科学に携わる者の使命です。
金星探査の意義は今も決して失われてはいません。金星の謎を解く日まで我々とともに歩んでいただけますようお願い申し上げます。

中村正人
あかつき衛星主任
2010年12月14日

【「あかつき」の現在の状況について】2011/4/13現在

平成22年5月21日(日本標準時、以下同)に種子島宇宙センターから打ち上げた金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入マヌーバ(VOI-1)を 12月7日8時49分から実施しましたが、軌道推定の結果、金星周回軌道への投入ができなかったことが確認されました。 現在、宇宙航空研究開発機構内に宇宙科学研究所長を長とする調査・対策チームを設置し、あかつきの金星周回軌道投入に失敗した原因につきまして調査中です。 12月9日に中間赤外カメラ(LIR)、紫外線イメージャ(UVI)、1μmカメラ(IR1)の3台を用いて約60万kmの距離から金星を撮影し、観測器の健全性を確認しました。

12月17日に開催された宇宙開発委員会の調査部会において、軌道投入失敗の状況について報告をいたしました。

12月27日に開催された宇宙開発委員会の調査部会において、軌道投入失敗に係る原因究明及び今後の対策について報告をいたしました。

平成23年4月13日に開催された宇宙開発委員会において、「あかつき」の現状について報告をいたしました。 3月に科学データ取得と観測機器の健全性確認を兼ねて中間赤外カメラ(LIR)、紫外イメージャ(UVI)、1μmカメラ(IR1)、2μmカメラ(IR2)の4台のカメラを用いて1000万km以上の距離から金星を複数回撮影し、2μmカメラ (IR2)についてもVOI後の健全性を確認しました。

最新のプレスリリース等については以下のページをご覧ください。

これまでのプレスリリース

更新履歴

PLANET-Cニュース

2011年5月18日

1年前の今日は、「あかつき」「IKAROS」の当初の打上げ予定日でした。朝6時44分14秒に打上げが予定されていましたが天候不良により延期となり、午後には「あかつき」らを搭載したH-2Aロケット17号機が打上げ射点から組立棟に戻されました。このころのリアルタイムな動きについては 「あかつき」チームtwitterの過去ログの 2010年5月17日分や、 2010年5月18日分から様子がわかります。 また、前日5月17日に組立棟から射点に移動したときの様子については、 当サイト「広報・教育用素材」「パンフレット・資料」"打上げを待つ「あかつき」" として簡単な資料が置かれています。(※)

(※) 画像をクリックするとzipファイルをダウンロードできます。 画像下の「ファイル別ダウンロード」からは、各ページのJPGファイルもしくはPDF形式の文書をダウンロードできます。

金星夜面撮像(2010/12/09)

現在プロジェクトサイトのトップに表示されている画像は金星周回軌道投入オペレーションの翌々日2010年12月9日に、カメラの機能確認を兼ねて撮影した金星です。左から、紫外イメージャUVIの画像(波長365nm、青色に人工着色したもの)、1μmカメラIR1の画像(波長0.90μm、橙色に人工着色したもの)、中間赤外カメラLIRの画像(波長10μm)です。LIRは金星全体を覆う雲の上端からの熱放射を写すカメラであるため、金星の昼夜関係なく真ん丸な金星が写っています。それに対して、UVIとIR1のこの画像では金星の昼側(太陽の光が当たっている領域)を撮るためのフィルタを使っているので、昼面だけが細い三日月状に写っています。また、この3つの金星は比較のために元画像のうちの金星部分のみを拡大して、人工的に着色したものを並べています。それぞれの元画像については、2010年12月10日の「PLANET-Cニュース」をご覧ください。

1μmカメラIR1は、上記の昼側用の0.90μmのフィルタの他に、3枚の夜側用のフィルタを持っています。 昼側用0.90μmのフィルタは高度55km付近の雲がターゲットですが、夜面用の3種類のフィルタ(波長: 0.90μm, 0.97μm, 1.01μm)は金星の分厚い雲と大気を透かして地表付近からの熱放射を捉えるためのものです。 2010年12月9日のカメラの機能試験では、これらの波長を使った金星撮像も実施しました。

※画像をダウンロードしてご使用の際は、「提供:JAXA」と表記願います※

1μmカメラ (IR1) 波長1.01μm
視野:  縦12度×横12度
画素数: 縦1024×横1024

[左]IR1(波長1.01μm)で撮った金星 / [右]視野全体

※[左]の画像は金星部分のみを切り出したもの。

参考: 昼側用0.90μmフィルタで撮った金星昼面画像

※人工的に着色しています。

上図は夜側用フィルタの1つで2010年12月9日に撮った金星画像です。 昼側用フィルタでは細い三日月状の金星昼面だけが写っていましたが、こちらのフィルタの画像では夜面も写っています。 夜面にくらべて昼面は1万倍も明るいため、夜面の明るさに合わせて作られたこのフィルタでは、明るすぎる昼面は正しく写すことが出来ません。明るすぎる昼面からの迷光がとても強いのですが、右側に薄暗く、しかしくっきりと半球状の夜面が見えています。夜面中央部分にはアフロディーテ大陸と思われる暗い領域も見えています。 金星に海はありませんが、「大陸」と名付けられた地域は周りよりも標高が高い地域です。そのため気温が低く、赤外線で見ると暗くなります。この画像では明るすぎる昼面からの迷光が目立っていますが、金星周回軌道上からの観測では、昼面部分を視野の外に出して夜面だけを撮像する計画です。

1μmカメラIR1のより詳しい情報については、下記関連リンクをご覧ください。

関連リンク:

PLANET-Cニュース

2011年5月13日 − 現在の「あかつき」 −

久しぶりのPLANET-Cニュースの更新になってしまいました。来週には「あかつき」の打上げから丸1年です。 現在の「あかつき」は、太陽の周りをおよそ200日で一周する図のような軌道にいます。今は地球からの距離約2億3千万kmの深宇宙を飛行中です。

2011年5月の「あかつき」

UVI,IR1,IR2,LIR金星昼面撮像(2011/03)

年度が変わってしまいましたが、2011年3月、科学データ取得と観測機器の健全性確認を兼ねて、中間赤外カメラ(LIR)、紫外イメージャ(UVI)、1μmカメラ(IR1)、2μmカメラ(IR2)の4台のカメラを用いた金星観測を実施しました。

2010年12月7日の後、「あかつき」はまず金星軌道の外側を金星を追いかけるように飛行していました。2011年2月に金星軌道の内側に入り、3月13日に内側(太陽側)から金星を追い抜きました。 3月は金星と「あかつき」がほぼ並走しており、2月中旬には約1450万kmまで離れていた あかつき-金星距離も約1270万kmまで近づきました。この時期を利用して、あかつき搭載カメラによる金星観測を実施しました。

2010年12月9日に金星撮像した際の あかつき-金星距離は約60万km、近づいたとはいえ今回は1000万kmを越える距離からの撮像です。そのため、高解像度のIR1,IR2,UVIでも4画素×4画素程度の大きさです。しかし、これがこれからの長い旅路の中で撮り得る最も大きな金星像です。 また、12月9日は金星軌道外側からの撮像でほとんど夜側しか見えなかったため、あかつきにとっては金星の昼側が見える金星軌道内側からの初めての観測でした。もともと金星で予定していた観測には比ぶべくもありませんが、波長による見え方の違いや大規模な雲の時間変動などがわかる可能性があり、このデータに期待をかけています。

観測は3月いっぱい実施しましたが、後述の近日点付近での熱の問題のため、観測時のみカメラを金星方向に向ける-X軸金星姿勢にし、温度モニタをしながら観測手順を進めるという体制でした。また、この熱の問題のために地球との通信にも制約が生じ、観測データの「あかつき」から地上に送るのは後日になっています。 下図は姿勢の制約を受ける直前に下ろした試し撮りのうちの1枚です。2μmカメラ(IR2)によって撮影されたもので、1024画素×1024画素の元画像の一部(金星が写っている部分)を切り出したものです。 この観測により、IR2についてもVOI後の健全性が確認されました。

2μmカメラ (IR2) 波長2.02μm
視野:  縦12度×横12度  (※下図は金星を中心とした0.375度×0.375度の領域)
画素数: 縦1024×横1024  (※下図は金星を中心とした32画素×32画素の領域)

IR2による金星(画像の一部を拡大)

初の近日点通過(2011/04/17)

「あかつき」は先月4月17日に太陽周回軌道上で初めての近日点を通過しました。 現在の軌道の近日点は太陽からの距離およそ0.62AUで、当初予定されていた金星周回軌道(太陽からの平均距離0.72AU)よりも内側です。このため、太陽からの熱入力は金星周回軌道上に比べて最大で1.4倍近くになると考えられます。 高速通信運用を可能にする高利得アンテナHGAを地球に向ける姿勢(+Z軸地球姿勢)では各機器の温度が許容値を越える可能性が有ったため、3月からは+Z軸太陽姿勢を基本姿勢とし(現在も継続中)、温度モニタを続けています。

姿勢の制限によってHGAでは通信が出来ないので、日々の運用には中利得アンテナMGAを使用しています。そんな中ですが、今週5月11日はちょうど+Z軸太陽姿勢のままでカメラ視野に金星が入ってきたため、近日点後のカメラの機能確認を兼ねて再度金星撮像を行ないました。現在のあかつきと金星の距離は5000万km近く、1画素ほどのサイズの点のような金星像と考えられますが、検出器の感度の時間変化をモニタするための較正用データになります。 しかし、地球と「あかつき」の距離が2億kmを越えている今、MGAでの通信速度は遅く、HGA使用時の32分の1〜64分の1程度です。今まで1,2分で受信していたデータに、1時間かかるようになりました。このため、今回や3月の金星画像データを下ろしきるのはしばらく先になりそうです。  (JAXA大月祥子)

関連リンク:

一番星へ行こう!

日本惑星科学会誌「遊・星・人」掲載のPLANET-C紹介記事へリンクを張りました。

リンク:

PLANET-Cニュース

2011年1月28日 − たくさんの応援 −

2011年になって早くもひと月が経とうとしています。去年の今頃、あかつきはまだ相模原で総合試験の真っ最中、熱真空試験のために大きな真空チェンバーの中にいました。怒涛の1年間を経て、現在は地球からおよそ1億1000万km、金星からおよそ1300万kmの距離を飛行中です。

「あかつき」(PLANET-C)プロジェクトはミッション立ち上げから10年という長い間、多くの方からの応援とともに歩んできました。しかし、打上げ以降、特にここ数カ月間に皆さまから頂いている応援・励ましは、これまでに経験したことのないほど大きなものです。特設サイトの応援メッセージやtwitterを始めとするネット上での励まし、相模原への直筆のお手紙や年賀状・手作りの品々・日本各地の神社仏閣のお守り・美味しい差し入れなど、たくさんのお気持ちを頂きました。 ありきたりの言葉になり恐縮ですが、いつも温かな応援をありがとうございます。2011年も「あかつき」チームをよろしくお願いいたします。

「千のあかつき」キャンペーン

昨年12月28日に閉館となった情報センターJAXAiにおいて、閉館のその日まで「あかつき」応援企画として「千のあかつき」というキャンペーンが開催されていました。このキャンペーンは、「あかつき」のペーパークラフトで「千羽鶴」ならぬ「千羽あかつき」作ろう、という企画でした。当初は 「あかつき」公式の1/30ペーパークラフト が想定されていましたが、途中からは有志の方が作成してくださった あかつきくんペーパークラフト も登場し、数多くの作品がJAXAiに届けられたそうです。 (「あかつき」応援企画を開催していると聞き、プロジェクトメンバーの何人かもそれぞれ休日にJAXAiを訪れたところ、ペーパークラフト作成コーナーや「あかつき」・あかつきくんが飾り付けられたクリスマスツリーがあり驚きました。)

JAXAi閉館から1ヶ月の今日、集まった「千のあかつき」が相模原に届けられました。JAXAiに届けられたペーパークラフトの数はなんと4,323個にも登ったそうです!ダンボールに梱包して20箱以上とのことで、まずはそのごく一部(それでも100個以上あります)が元JAXAiのスタッフの手により到着しました。残り21箱は来週にも相模原に搬入される予定です。

中村プロマネが受け取っている大きなあかつきくんは箱になっており、中には小さな「あかつき」・あかつきくんがたくさん入っていました。どれも5個ずつ紐で繋がっており、簡単に吊るして飾れるようになっています。一つ一つが力作で、皆さまが込めてくださった思いが感じられます。皆さま、本当にありがとうございました!残りの21箱が届くのが楽しみです。

イラスト寄せ書き

今日の写真の背景にも写っていますが、「千のあかつき」と同時に、twitter上で始まったもう一つの「あかつき」応援企画がありました。応援のイラストやメッセージが印刷された 90cm × 120cm の寄せ書きタペストリーです。一般の有志の方々が企画・制作し、昨年12月27日に相模原まで届けてくださいました。2010年12月13日という日付が記載されており、たった1週間で200人もの方からのメッセージやイラストを集めてくださったのかと感動しました。

(JAXA大月祥子)

PLANET-Cニュース

2010年12月10日 − 「あかつき」が撮った最初の金星 −

平成22年12月9日、中間赤外カメラ(LIR)、紫外線イメージャ(UVI)、1μmカメラ(IR1)の3台を立ち上げ、金星を撮影しました。撮影時刻は午前9時頃(日本時間)で、このとき「あかつき」と金星の距離は約60万kmでした(参考:地球と月の平均距離は約38万km)。「あかつき」から見た金星の視直径は約1.2度で(参考:地球から見た月の視直径は約0.5度)、金星を夜の方向から見ています。

※画像をダウンロードしてご使用の際は、「提供:JAXA」と表記願います※

中間赤外カメラ (LIR) 波長10μm
視野:  縦12.4度×横16.4度
画素数: 縦248×横328

[左]LIRで撮った金星 / [右]LIRで撮った画像(視野全体)

 
紫外線イメージャ (UVI) 波長365nm
視野:  縦12度×横12度
画素数: 縦1024×横1024

[左]UVIで撮った金星 / [右]UVIで撮った画像(視野全体)

※[左]の画像は人工的に着色しています。

1μmカメラ (IR1) 波長0.9μm
視野:  縦12度×横12度
画素数: 縦1024×横1024

[左]IR1で撮った金星 / [右]IR1で撮った画像(視野全体)

※[左]の画像は人工的に着色しています。

 

UVI画像とIR1画像とLIR画像の比較

※画像は人工的に着色(UVI画像:青色 IR1画像:橙色)しています。

一番星へ行こう!

日本惑星科学会誌「遊・星・人」掲載のPLANET-C紹介記事へリンクを張りました。

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