「のぞみ」搭載MICによる試験撮像

 MIC(Mars Imaging Camera)は,その名の通り,火星を撮像するために火星探査機「のぞみ」に搭載された観測装置です。RedGreenBlue各色用の次元CCDを使用して,探査機のスピンを利用して走査することにより次元画像の撮像を行います。

 「のぞみ」が地球のまわりをまわっている間に,地球,月等の撮像を行って,カメラの性能の確認を行っています。写真は,地球から約17万km,月から約53万kmの地点から撮像したものです。RedGreenBlueの各色画像を合成してカラーにしたもので,その他見やすいように若干の画像の補正を行っています。写真は「のぞみ」が近地点を通過した直後に,高度約3000kmからオーストラリアを撮像したものです。写真も地球に接近した際に撮像したものですが,斜めの角度から撮像したため,カラー合成が難しくまだできていませんので,RedCCDの画像のみ掲載しました。写真は一般公開当日に撮像した地球です。東日本に大雨を降らせた台風4号と前線も写っています。この画像は視野端の歪特性を調べるために撮像されたので,地球の端が切れてしまっていますが,ご容赦下さい。

 写真が最新のオーストラリア南西部の画像です。

MICは今後も引き続き試験撮像を行っていきますので,また良い写真が撮れたらご報告いたします。

(橋本樹明)



写真1 7月18日撮影 地球と月



写真2 7月19日撮影 オーストラリア


写真5 9月9日撮影 オーストラリア



写真3 8月15日撮影 南太平洋


写真4 8月29日撮影 地球


ISASニュース No.210 (無断転載不可)