質問コーナー 

質問1:どうして火星に行くの?

  答え:  人工衛星PLANET-Bは地球のすぐ外側を回っている火星を調べるために計画され        
          ました。それではどうして火星に行くのでしょうか?金星と地球、そして火星        
          はある程度似た性質を持っているので、地球型惑星と呼ばれています。しかし、       
          地球や金星が良く調べられているのに対して、火星のことはあまり良く調べられ       
          たことがありません。そのため、火星については良く解っていないことがいろい       
          ろあります。
          例えば、地球が大きな磁石になっていることは良く知られています。では、火        
          星は磁石になっているのでしょうか?いまだかつて火星の磁石の強さをしっか         
          りと測ったことがないので、誰も知らないのです。また火星の夜にはオーロラ         
          が光っている可能性があると言われていますが、本当にあるんのでしょうか?         
          火星のオーロラを見ることができたら何と素晴らしいことでしょう。
          このように今まであまり詳しく調べられていない火星のことを徹底的に調べあ        
          げようをいうのがPLANET-B計画なのです。

質問2:火星の大気はなくなっちゃう??

  答え:  旧ソ連の衛星Phobos-2は次のようなことを発見しました。火星の夜側から、大        
          量の酸素イオンが毎秒数百Kmという大変な速さで宇宙空間へ逃げ出していたの         
          です。逃げ出ている酸素イオンの量から計算すると、何と今火星にある大気が         
          約1億年でなくなってしまうことになります。1億年というと長い時間のよう         
          ですが、星の進化を考える場合にはとても短い時間なのです。
          ではどうして火星の大気がそんな速さまで速くなることができるのでしょう
          か?残念ながら、この酸素イオンを見つけたPhobos-2衛星はたった2カ月しか        
          観測できませんでした。ですからはっきりしたことはまだ解っていません。
          日本が打ち上げるPlanet-B衛星がこの問題を解く鍵を教えてくれると期待されて         
          いるのです。

質問3:火星でもオーロラは見られるの?

  答え:  地球の北極や南極では、夜に美しいオーロラが見えることは良く知られていま        
          す。では、火星にもオーロラがあるかもしれないと言うと、どう思われます
          か?そしてなぜオーロラが光るのでしょうか?。
          上の答えで、酸素イオンが火星から大量に逃げ出していると書きました。実は        
          そのことと関係があるのです。酸素イオンが逃げ出すのは電気の力が働いてい
          るからだと考えられています。そうすると、酸素イオンとは反対の電気を持っ
          ている電子は酸素イオンとは逆に火星の方に向かって飛んで行くことになりま
          す。そのような電子は火星の大気とぶつかって、それにより光りを出すので
          す。これがオーロラの光りなのです。
          しかし本当に火星にオーロラがあるのか、それはわかりません。電気の力で酸
          素イオンが動いていると書きましたが、どうして電気の力が火星の夜側にかか
          っているのか、それもよくわかっていないのです。
          Planet-B衛星では、このようなオーロラを探して調べることも大きな目的の1
          つなのです。

貴方の名前を火星へ!
(PLANET-B 名前搭載キャンペーン)


受付けを終了致しました (_o_)

 宇宙科学研究所では98年7月上旬に、日本初の火星探査機 PLANET-B (プラネットB)を打上げます。PLANET-B は約2年間、火星の周りを回りながら大気や磁気圏について観測を行う予定です。
 宇宙科学研究所では、みなさんの直筆の名前をマイクロフィルム化してアルミ板に焼き付け、PLANET-B に搭載するキャンペーンをしていますが、2月28日消印分をもちまして受付けを終了致しました。たくさんの方に御応募頂き、有難うございました。

 みなさんからの反響は、こちらの予想を遥に上回るものでした。最終の人数は270、694人でした。  


貴方の名前を火星へ!FAQ(よくある質問とお答え)


取り付け作業
名前はどの様に搭載されるのですか?
 お送りいただいた名前は模造紙に貼付けられ、その模造紙をマイクロフィルム化します。そしてそのマイクロフィルムを、2.5cm角ほどのアルミ板(厚さ0.5mm)に写真のように焼き付けます。残念ながら、肉眼では名前を確認することは出来ません。

探査機のどこに搭載されるのですか?
 探査機には、回転時のバランスを良くする調整用の重りが付けられます。名前が焼き付けられたアルミ板は、この重りの上に張り付けられます。スペースはアルミ板2.5cm角が、少なくとも20枚分用意されています。

何名分搭載できるのですか?
 受付けを終了してから、全員分の名前が模造紙に収まるように縮小します。仮に1/50(2%)に縮小してから模造紙に貼付けてマイクロフィルム化すると、アルミ板1枚で約1万3440人分を収めることが出来ます。 

名前以外はダメですか?
 縦2cm横6cmのスペースをそのまま縮小しますので、文字でないと作業できないということはありませんが、名前という趣旨を御理解いただき、御協力をお願いします。

登録料金はかかるのですか?
 登録料はかかりません(無料です)。ハガキ代のみで御参加いただけます。

搭載証明書の様なものはもらえるのですか?
 証明書の発行は予定していません。しかし、マイクロフィルム化や探査機への搭載など、各工程ごとの様子はきちんと記録をしておきますので、宇宙研のホームページや一般公開の時などに御覧になっていただけると思います。

PLANET-B の打上げはいつですか?
 98年7月のはじめを予定しています。なお打上げは、天候や諸事情により延期される場合があります。

いつ火星に着くのですか?
 打上げの日にちにも関係しますが、99年10月に火星を回る軌道に乗る予定です。

PLANET-B は最後はどうなるのですか?
 観測終了後も探査機は火星を半永久的に回り続けます。残念ながら、火星に着陸することはありません。