撮影:久万高原天体観測館           露出開始時刻 2003年6月19日 20時39分16秒           露出時間 約13秒
   撮影:久万高原天体観測館           露出開始時刻 2003年6月19日 20時39分51秒           露出時間 約12秒 ----------------------------------------------------------------------- 「のぞみ」地球スイングバイ時の光学観測 「のぞみ」は、2002年12月21日と2003年6月19日に地球スイングバイを行い ましたが、これらのスイングバイ時には地上の光学望遠鏡による撮影も試み ました。日本国内の望遠鏡やすばる望遠鏡(1回目の地球スイングバイ時の み)によって観測が行われましたが、2回のスイングバイともに悪天候など の理由で観測はほとんど成功しませんでした。 このような中、2回目のスイングバイ時では、唯一、愛媛県にある久万高原 天体観測館で「のぞみ」の撮影に成功しました。「のぞみ」が撮影されたの は2枚のフレームのみです。撮影されたのは中村彰正さんで、久万高原天体 観測館の60cm反射望遠鏡にCCDカメラを取り付けて撮影されたということで す。撮影の時刻は6月19日の20時39分頃ですから、「のぞみ」が地球に最接 近する約3時間前で、この時の観測地から「のぞみ」までの距離は53000km ほどになります。なお、「のぞみ」の明るさは15等から16等くらいという ことです。(掲載されている写真は、「のぞみ」の軌跡が見やすいように 処理がなされています。) 日本の深宇宙探査機が地球スイングバイをするのは、「さきがけ」に続い て「のぞみ」が2機目ですが、スイングバイ時に光学撮影が成功したのは日 本では今回が初めてです。撮影された位置は、軌道決定によって予測され る位置と比較した結果、両者がほぼ一致していることが確認されています。 観測に協力していただきました多くの方々、機関に感謝いたします。 ※観測に協力していただいた機関(五十音順): かわべ天文公園、久万高原天体観測館、倉敷科学センター、ぐんま天文台、 国立天文台ハワイ観測所、さじアストロパーク、通信総合研究所、 富山市天文台、西はりま天文台、美星スペースガードセンター、星の子館、 和歌山市立こども科学館