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水星磁気圏探査機 MMO |
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MMO探査機 [Mercury Magnetospheric Orbiter] : 目標 |
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MMO探査機は、水星の磁場・磁気圏の解明を主目的とするもので、
ISAS/JAXAがこの「開発」および「水星軌道での運用」を担う。
火星・金星にはない固有磁場。
これを有する地球型惑星は水星と地球だけである。
この両惑星の比較ができれば、地球の磁場・磁気圏、および
宇宙に存在する様々な磁気圏を理解するための大きなステップとなる。
MMO探査機は、以下の解明を目指している。
- 固有磁場の解明
水星周辺の磁場を高い精度で計測し、惑星磁場の成因を探る。
- 地球と異なる特異な磁気圏の解明
水星磁気圏の構造や運動を観測し、地球と比較して惑星磁気圏の普遍性と特異性を明らかにする。
- 水星表面から出る希薄な大気の解明
ナトリウムを主成分とする希薄大気の大規模構造・変動を観測し、その生成・消滅過程を探る。
- 太陽近傍の惑星間空間を観測
地球近傍では見られない太陽近傍の強い衝撃波を観測し、そのエネルギー過程を解明する。
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MMO探査機:概観 |
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MMOは、4秒周期で回転するスピン型探査機である。
これは「イオン・電子の3次元空間・速度分布」の計測を可能にするためであり、
また遠心力で「電場・電波計測用のワイヤアンテナ4本(15m)」と
「磁場計測用マスト2本(5m)」を伸展するためである。
スピン軸は、水星赤道面にほぼ垂直とする。
これは、強い太陽輻射が探査機の上・下面へ直射するのを防ぐとともに、
上側にある高利得アンテナを最小限の姿勢変更で地球へ向け続ける為である。
強い太陽光が当たる側面には、「SSM」と呼ばれる一種の鏡を貼る。
SSMは、「可視光は反射し、赤外線は放射する」特性を持つため、探査機内部を常温に保つ
ことができる。
(高温では電子機器の正常動作が保証されない。)
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MMOの軌道は、全球の磁場マッピング及び水星磁気圏全域の観測が可能なように、
「近水点400km、遠水点12,000km」の極軌道が選択されている。
軌道周期は9.2時間である。
この軌道はMPO軌道と同一平面、かつ周期(MPO:2.3時間)を4倍にしてあり、
MPOとの協調観測が容易に行える。
MMOは、水星到着までの3年余りの間は、
MPO及び推進モジュールと結合した「全体モジュール」として、ESA側の管制で運ばれる。
到着後にはスピン分離され、独立した探査機として
相模原にある
衛星管制センターから
臼田宇宙空間観測所64mアンテナ(長野県)
を使って運用される。
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MMO探査機:観測装置の選抜 |
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観測装置は、MPO・MMOの両探査機の双方で国際公募に基づき2004年末に選ばれた。
[このため、MMO探査機に欧州の研究者が、MPO探査機に日本の研究者が、それぞれ入る。]
現在、多くの日欧共同観測装置チームが形成され、各所で活発な議論・検討・試験・開発が行われている。
また、水星到着後の観測計画は、観測機器を提供したグループのみならず、
理論研究者なども巻き込んだ「共同観測チーム」によって立案・実施していく。
((( MMO探査機搭載・観測機器チーム )))
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名称
(人数) |
観測内容 |
代表者/副代表者 |
他の参加機関(国内)・参加国 |
MGF (35) |
磁場観測 |
W. Baumjohann (IWF, オーストリア)
松岡彩子 (JAXA) |
Japan: 東海大、九州大、東北工大、熊本大、東京工大
東京大、情報通信研究機構
Europe:ドイツ、イギリス
Others:アメリカ
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MPPE (65) |
電子・イオン 高速中性粒子の エネルギー・質量分析 |
斉藤義文 (JAXA)
J.-A. Sauvaud (CESR-CNRS, フランス)
平原聖文 (名古屋大.)
S. Barabash (IRF, スウェーデン) |
Japan:京都大、名古屋大・太陽地球環境研、
東京工大、東北大、東京大、
極地研、情報通信研究機構
Europe:
フランス、イギリス、イタリア、チェコ、ベルギー、ドイツ、スイス
Others: アメリカ、台湾
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PWI (45) |
電場、プラズマ波動、電波 電子密度・温度の計測 |
笠羽康正(東北大)
J.-L. Bougeret (LESIA, フランス)
L. Blomberg (Alfven Lab., KTH, スウェーデン)
小嶋浩嗣 (京都大・生存圏研)
八木谷聡 (金沢大)
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Japan: 富山県大、愛媛大、京都産業大、JAXA
Europe:
フランス、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、ハンガリー、ESA/RSSD
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MSASI (20) |
ナトリウム大気の 撮像 |
吉川一朗 (東京大)
O. Korablev (IKI, ロシア) |
Japan: 立教大、東北大、東京工芸大、極地研
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MDM (12) |
水星・惑星間・恒星間ダストの観測 |
柴田裕実 (京都大) |
Japan:
東京海洋大、早稲田大、大阪市大、国立天文台、JAXA
Europe:
ドイツ
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MMO搭載機器(2010年現在)
プラズマ粒子観測装置(MPPE) |
水星電子分析器(MEA) |
低エネルギー電子 |
3eV-30keV, dt=1sec |
水星イオン分析器(MIA) |
低エネルギーイオン |
5eV-30keV, dt=2sec |
イオン質量分析器(MSA) |
イオン質量分析 |
5eV-40keV, dt=2sec |
高エネルギーイオン測定器(HEP-ion) |
高エネルギーイオン |
30keV-1MeV, dt=4sec |
高エネルギー電子測定器(HEP-ele) |
高エネルギー電子 |
30keV-700keV, dt=4sec |
高エネルギー中性原子測定器(ENA) |
高エネルギー中性原子 |
<25eV-3.3keV, dt=80sec |
磁場観測装置(MGF) |
磁場 |
DC-64Hz |
プラズマ波動・電場観測装置(PWI) |
電場、プラズマ波動、電波 |
DC-10MHz(E)
Few-640kHz(B) |
大気分光撮像器(MSASI) |
ナトリウム大気撮像 |
FOV:-30deg |
ダスト検出器(MDM) |
惑星空間ダスト |
PZT |
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BepiColombo計画:探査機仕様へ |
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