PLANET-Cニュース

金星探査機PLANET-Cの最新情報をレポートします。 新着記事タイトルをRSSで配信しておりますので、 "http://www.stp.isas.jaxa.jp/venus/rss/topnews.rdf" をRSSリーダーに登録の上、ご利用ください。 [ RSS新着記事情報を表示する ]

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2009年12月28日(2)

総合試験実施中 148日目

12月上旬のベーキングの後、探査機は上部パネルを外した状態で作業が進められてきました。 今年の作業は本日で終了のため、クリーンルームも片付けられ、「あかつき」も年越し準備です。 写真は12月25日のもので、今日の作業で下部構造も一週間のお休みを迎えられるように養生されます。

今年も一年間、温かく応援していただきありがとうございました。 特にこの2ケ月間はキャンペーンを通じて多くの方々からのメッセージを目にすることができ、 プロジェクト内の士気がますます高まっております。 来年はいよいよ打ち上げの年。 ミッションを成功させ金星の謎を解明するために、皆さまからのお名前・メッセージを金星に届けるために、 全力を尽くしていきたいと思います。 メッセージキャンペーンは 1月10日まで実施しています。お正月にご家族ご親戚とメッセージを送っていただければ幸いです。

皆さまがよいお年をお迎えになられますようお祈りいたします。 (JAXA大月祥子)

2009年12月28日(1)

たくさんの応援メッセージをいただいています!

キャンペーンサイトで続々と紹介されているように、 本当に多くの方々から応援メッセージをいただいています。 今日はプロジェクトサイトの年内最後の更新になりますので、 「あかつき」の近況報告の前に、いただいたメッセージの一部をご紹介したいと思います。 こちらのメッセージやイラストはすべてこのイメージのまま(ただしモノクロになります)で 「あかつき」搭載のアルミプレートに印刷されます。

デジタルファインアートの第一人者・KAGAYAさんからの「ビーナス」のイラスト

歌手・平原綾香さんからのメッセージ

作家・志茂田景樹先生からのメッセージ

NHK BS2番組「ザ☆ネットスター!」出演の皆さんからのメッセージ

(喜屋武ちあきさん・金田朋子さん・おんたまさん)

KBCラジオ「PAO〜N」「VERO2VA」の出演者の皆さんからメッセージ

(「PAO〜N」 おすぎさん・中島浩二さん・大庭宗一さん・にしおかすみこさん・和田安生さん・ 原田らぶ子さん・奥田智子さん・沢田幸二さん、  「VERO2VA」 ブルーリバーさん・sakuraさん・パラシュート部隊さん)

歌手・さだまさしさんからのメッセージ

山崎直子宇宙飛行士からのメッセージ

今回ご紹介したメッセージの他に、たくさんの小学校・中学校・高校や科学館からの団体でのご応募をいただいています! また、JAXA宇宙科学研究本部のある相模原市からは1万人を超えるメッセージを、 12月3日に開催した宙博(ソラハク)では小沢鋭仁環境大臣、若田宇宙飛行士とSTS-127クルーからメッセージを頂きました。 こちらではご紹介しきれなかったメッセージもあります。 ぜひキャンペーンサイトからご覧ください!

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2009年12月11日

小山宙哉先生からの応援メッセージ

『宇宙兄弟』でお馴染みの漫画家小山宙哉先生から、金星探査機「あかつき」への応援メッセージが届きました! 少し先の未来を舞台にした『宇宙兄弟』、 きっと2010年の「あかつき」打上げの時には、六太と日々人も応援していてくれたのではないでしょうか?

こちらのメッセージも、皆さまにご応募いただいたメッセージやお名前とともに金星探査機「あかつき」に搭載されます。 メッセージキャンペーンの締め切りまであと2週間。 ぜひ皆さまお誘い合わせの上、ご応募ください! (JAXA大月祥子)

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2009年12月10日

JAXAクラブ特集記事「一番星をめざせ!」

先週からJAXAクラブにて 金星探査機「あかつき」に関する特集が始まりました。 (※JAXAクラブのコンテンツの一部は会員登録が必要です。) ” 一番星をめざせ! 金星と金星探査機「あかつき」のひみつに迫る ”というタイトルで、 プロジェクトマネージャ中村正人教授が金星や「あかつき」についての質問に答えています。 分かりやすく楽しいページになっていますので、ぜひご覧ください。 プロジェクトマネージャの似顔絵や衣裳にも注目です!

同じく、JAXAクラブのページでは、 11月27日の報道公開の様子も” JAXAクラブニュース 「あかつき」、その姿を現す”として紹介されました。

また、JAXA宇宙科学研究本部のキッズサイト 「ウチューンズ」ではプロジェクトサイエンティスト今村剛准教授が「 宇宙のお仕事ガイドブック」に 「惑星の気象を調べる研究者」 として取り上げられています。

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2009年12月9日

RSS配信スタート

本日より「PLANET-Cニュース」のRSS配信を始めました。

RSSとは、ウェブサイトの更新情報などを配信する文書フォーマットのことです。 「金星探査機 あかつき」プロジェクトサイトでは「PLANET-Cニュース」の新着記事のタイトルをRSSで配信します。 RSSアイコン のリンク先URL(http://www.stp.isas.jaxa.jp/venus/rss/topnews.rdf)をRSSリーダーに登録することで、 新着記事の一覧を取得することができます。

2009年12月4日

総合試験実施中 128日目

総合試験はまだまだ続いています。今月は探査機本体のベーキングを行ないます。

ひとたび探査機が打ち上げられれば、そこは真空の世界になります。 地上の気圧では出てこなかった探査機に含まれる微量の気体が、 宇宙のような真空状態では出てきて、機器を汚したり問題を起こしたりすることがあります。 そこで、宇宙を模擬した真空チェンバーの中で、 実際に想定される探査機温度以上まで温度を上げて探査機本体に含まれる気体を追い出します。 これがベーキングと言われる作業です。

写真はベーキング準備の様子です。 1枚目はクリーンルームからベーキング用チャンバーへの移動風景、 2枚目はチャンバーのあるクリーンブース内に置かれた「あかつき」、 そして、3枚目は 「あかつき」を入れたチャンバーの蓋が閉じられたところです。 チャンバー本体は2階部分にあり、 下蓋の台座に設置された「あかつき」が蓋ごとせり上がっていきました。

今日の午後には既にチャンバー内の空気を抜き始めており、明日からは中の温度を上げていきます。 明日から1週間は24時間体制での試験です。 (JAXA大月祥子)

2009年11月30日

松本零士先生からの応援メッセージ

あの松本零士先生から、金星探査機「あかつき」への応援メッセージが届きました!

松本先生からのこのメッセージも、 皆さまからのメッセージと一緒にアルミプレートに印刷されて、「あかつき」に搭載されます。 メッセージキャンペーンへの応募は、 キャンペーンサイトからお願いします。 また、JAXAモバイル http://mobile.jaxa.jpでは携帯からも応募が可能です。 応募して頂いたメッセージやお名前は全てあかつきに搭載されます。 抽選ではありませんので、ご家族・お友達とお誘い合わせの上、どしどしご応募ください! (JAXA大月祥子)

2009年11月20日

新ペーパークラフト制作中

「あかつき」という名前がついてから約1か月。 今年のクリスマスが締め切りの メッセージキャンペーン は、早くも折り返し地点です。 ご応募がまだの方はぜひこの機会によろしくお願いします!

名称の決定を受け、現在、台座に「金星探査機 あかつき」の文字を入れたペーパークラフトを作っています。 ペーパークラフトそのもののデザインは従来のものと同じですが、 のりしろ部分などに微調整を行ないましたので、これまでよりも作り易くなったと思います。 昨日は「完成イメージ」用の写真撮影も行ないました。 「あかつき」のペーパークラフトは両面を使っていて、衛星の中がどうなっているのかを見ることができるという珍しいデザインです。 小さなペーパークラフトですが、皆のこだわりが詰まっています。

新バージョン完成後は、JAXAの開くイベント等で配布される予定です。 また、本サイトの広報・教育用素材ページにも公開いたします。 今後ともどうぞよろしくお願いします。 (JAXA大月祥子)

2009年10月29日

総合試験実施中 104日目

長い総合試験もそろそろ折り返し地点です。 通算作業日数も、先日の探査機名称「あかつき」が発表された記念の日に100日を迎えました!

今月は3週間にわたって振動試験を行なってきました。 一週目は探査機の水平方向の加振機に乗せてX軸方向、 二週目は探査機の向きを90度回転させてY軸方向に振動を与えて耐性を調べました。 そして三週目である今週は垂直方向に振動を与えることができる加振機に乗せ替えて、Z軸方向の試験を行ないました。

写真は左がY軸方向、右がZ軸方向の試験風景です。 10月9日の記事に掲載したX軸方向の試験写真とあわせてご覧ください。 (JAXA大月祥子)

2009年10月23日

「あかつき」メッセージキャンペーン

名称決定のお知らせとともに、メッセージキャンペーンに関するお知らせがリリースされました。 このキャンペーンでは、皆さまからのメッセージを広く募集しアルミプレートに印刷して、金星探査機「あかつき」に搭載します。 願い事や決意などのメッセージだけでなく、お名前だけの応募も可能です。「あかつき」とともに金星に旅立ってみませんか?

応募方法など詳細についてはキャンペーンサイトをご参照ください。

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2009年10月23日

金星探査機PLANET-Cの名称決定!

先ほど、JAXAからのプレスリリースにて金星探査機PLANET-Cの名称が発表されました。 PLANET-Cは「あかつき」という名前になりました。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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2009年10月16日

PLANET-C紹介動画 短縮版

PLANET-Cの紹介動画に約1分半の短縮版ができました! 「金星大気の謎に挑むプロジェクト〜コードネーム:PLANET-C」というタイトルでYouTubeのJAXA channelにアップされました。 以前からある動画「金星大気の謎に挑む〜金星探査機PLANET-C〜」(約12分)の 予告編のようになっています。ぜひご覧ください。

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2009年10月9日

総合試験実施中 91日目

昨日から、振動試験が始まりました。 この試験では、探査機の打ち上げ時の振動への耐性を確認します。 現在PLANET-Cはクリーンルームから環境試験室へと移され、加振機の上に乗っています。 写真は試験風景で、PLANET-Cの後ろに見えるのは巨大なクリーンブースです。 (JAXA大月祥子)

2009年10月6日

総合試験実施中 88日目 & プラCくんときんせいちゃん

今日は、打ち上げ時に探査機とロケットを繋ぐ「衛星分離部(通称:PAF)」の試験が行われました。

写真の探査機の下に見える金色の袴のような部分がPAFです。 この写真は2Fの廊下の窓から撮影されたものですが、よくよく見るとPLANET-C本体のところに 窓ガラスの反射が写りこんでいます。 このサイズでは見えにくいですが、実はこの写り込み、廊下に立っていたプラCくん※なのです。 誰かがそう見えるように配置した訳では無いのに、見事にPAFの上に立っています。 プラCくんも金星に向かって飛び立つ気満々ですね。 (JAXA大月祥子)

※「プラCくん」は、「PLANET-Cニュース(7月31日)」でもご紹介したPLANET-Cのマスコットキャラクターです。 金星をモチーフにした「きんせいちゃん」もいます。7月末にはなぜか迷子になっていましたが、無事に帰ってきました!

2009年10月5日

総合試験実施中 87日目

先週9月30日には、太陽電池パドルの組み付けが行われました。 これで、様々な機器の組み付けが一通り終わり、打ち上げ時とほぼ同じ外観になりました。 個々の機器の動作確認はひと段落で、今月からは探査機全体での試験に突入します。

写真は太陽電池パドルの組み付け風景(左・中)とその二日後の探査機の様子(右)です。 クレーンで高くつり上げて探査機本体の上に運びました。 現在は、パドルが探査機上側で頭を抱えるように折りたたまれている状態です。 2009年9月17日の記事の写真と比べると、上面に見えていたアンテナの上に太陽電池パドルがあり、 印象がずいぶんと変わりました。 (JAXA大月祥子)

2009年9月29日

総合試験実施中 82日目

シルバーウィーク中日の9月22日に姿勢制御系の試験が行われました。 いきなり、姿勢制御系と聞いても何のことだか良く分かりませんよね、まずは姿勢制御について説明したいと思います。 「PLANET-C」には金星大気の観測を行うために、たくさんのカメラが搭載されています。 金星大気のシャッターチャンスを逃さないためには、カメラでしっかりと金星を捉えておくことが重要です。 そのために、自分の向きを自由自在に変える「姿勢制御」が必要なのです。

姿勢制御系の機器は、以下の3つに分かれています。

センサには太陽を知る太陽センサ、複数の星を見て自分の姿勢を知るスタートラッカ、 自分がどれだけ動いたかを知る慣性センサがあります。 また、アクチュエータにはぐるぐる回る「はずみ車」のようなリアクションホイールがあります。

太陽に似た光を入れて太陽センサが正しく動作するか? 複数の星を表した模擬星マップを見てスタートラッカが姿勢を決めることが出来るか? コンピュータからの信号通りに、リアクションホイールの回転数が変わるか?

これらの機器がちゃんと動作するかどうか、といったことを確認するのが姿勢制御系の試験です。 この試験で、「PLANET-C」の姿勢制御系の機器達はちゃんと動作することが確認出来ました。 「PLANET-C」は金星大気を撮影する良いカメラマンになれそうです。 (JAXA成田伸一郎)

2009年9月17日

総合試験実施中 75日目

6月に始まった総合試験も、7・8月の各機器の電気試験を経て、やっと中盤戦に突入です。 これからの試験内容は衛星全体を対象としたものになります。 様々な試験に備えて、9月第2週めにはついに探査機の組み立てが行われました。

観測用カメラを始めとしてたくさんの機器が取り付けられた上部パネルと 燃料タンクや衛星のエンジン部分が取り付けられた下部パネルが組み付けられました。 写真(右)はまさに組み付け途中の様子で、黒い箱状の下部パネルの上に、三枚屏風状の上部パネルが被せられています。 機器や配線の干渉がないよう慎重に確認してから側面のパネルを閉じました。 その後、衛星構体全体に熱を遮り温度を適正に保つための金色フィルム(MLI)を貼り付けました。 (JAXA大月祥子)

2009年8月26日

総合試験実施中 57日目

先週金曜日(8月21日)にPLANET-C推進系の電気試験が行われました。 PLANET-Cは推進系の9モジュール、計13式のエンジンのうち、 姿勢制御系が選択したエンジンを噴射して軌道・姿勢を制御します。

電気試験では、「電気的に正しく接続されているか?」を確認するため下記の項目を検証します。

もしもこれらの項目が間違えて接続されていたら、 PLANET-Cはあらぬ方向に飛んでいってしまったり、 全く逆の方向を向いてしまったり大変なことになってしまいます。 細心の注意を払っているので、間違えることはほとんど無いのですが、 やっぱり少しでも不安を取り除くためには検証しておきたいものです。

そういった電気的な接続を検証するために写真のような試験をしました。 それぞれのスラスタから伸ばしたホースを水につけて、 タンクの中のガスをスラスタから排出して、 設計どおりに決められたスラスタからガスが出るかを試験しました。 ガスは水の中でホースからブクブクと出てくるので 原始的ですが、一目瞭然な方法です。 その結果、正しく接続されていることが示されました。 PLANET-Cは呼びかけたらこっちに振り向いてくれるいい子みたいです。 (JAXA中塚潤一)

2009年7月31日

一般公開ご来場ありがとうございました

先週7月24日25日の一般公開では多くの方にお越しいただきました。 ご来場の皆さま、本当にありがとうございました。

「金星探査計画」ブースでは、PLANET-Cの1/10模型、ミッションや金星の説明パネルの他、 赤外線カメラでの記念撮影コーナー、 PLANET-C搭載カメラ立体パズルコーナー、 加圧水槽を用いた90気圧模擬実験コーナー(7月23日の写真はこの模擬実験で小さくなった発泡カップでした! 左が加圧前のカップ、右が加圧後のカップです)、 金星スーパーローテーション実験コーナー&体験ムービーなど 小さなお子様にも楽しんでもらえる企画が満載でした。

また、急な決定で事前告知はできなかったのですが、一般公開期間中、 現在総合試験真っ只中のPLANET-C実機の公開もしました! PLANET-Cに関わる大学院生の皆さんは通常の「金星探査計画」ブースの仕切りで手いっぱいだっため、 実機見学はプロジェクトサイエンティスト(プロジェクトの理学部分の責任者))、 プロジェクトエンジニア(プロジェクトの工学部分の責任者)、 赤外線カメラIR2の責任者が現場で説明を行いました。 準備期間がほとんどない企画でしたが、 PLANET-Cについて本当に深く知っているメンバーの説明と来年度には打ち上がる探査機の実物が目の前にあるということで、 皆さまにも好評だったようです。

(当日は写真を撮る暇がなかったので、今日、実機見学の現場で写真を撮ってきました。 左の写真に写っている窓からPLANET-Cが組み上げられているクリーンブースを見ていただきました。 PLANET-Cのマスコットキャラクター「プラCくん」も一緒に現場でがんばりました。 金星をモチーフにした「きんせいちゃん」もいるのですが、なぜか現在行方不明です…。)

一般公開は終わってしまいましたが、JAXA相模原キャンパスはほぼ毎日皆さまの見学を受け付けています。 展示室やロケットの実機模型などがありますので、機会があればぜひお越しください。 (JAXA大月祥子)

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2009年7月23日

JAXA相模原キャンパス一般公開準備

明日・明後日は JAXA相模原キャンパス一般公開「相模原は宇宙につながっている」が開催されます!

私たちPLANET-Cチームも第2会場の「金星探査計画」ブースで皆さまをお待ちしています。 お近くにお住まいの方はぜひご来場ください!

左の写真は展示ブースの準備の様子です。皆さまに楽しんでいただけるよう、アイデアを出し合って作り上げてきました。 展示の準備にはJAXA宇宙科学研究本部相模原キャンパスの研究室に所属する大学院生の皆さんが大活躍してくれました。

右の写真は展示内容の一部です。何の写真でしょうか?!ぜひ会場でご確認ください。

2009年7月17日

IR2が見る風景

衛星本体に組み付けた状態での電気試験・観測用プログラムのテストを終えた各カメラは、 一連の試験で出てきた問題点を解消すべく、現在最終調整に入っています。

今日の写真は、2μmカメラIR2の最終調整中に撮ったJAXA宇宙科学研究本部相模原キャンパスの実験室の窓からの風景です。 一見すると夕方のような風景ですが、単色の画像を3枚重ねて作った着色合成合成(擬似カラー画像)です。 2μmカメラIR2(※IR2のサイトは現在リニューアル中です。カメラの詳しい情報についてはしばらくお待ちください。)には、 「観測装置」のページで紹介しているように複数のフィルターが搭載されています。 そのうちの1.735μm、2.26μm、2.32μmの3枚のフィルターを使って白黒画像を3枚撮り、 1.735μmの画像を赤色、2.26μmの画像を緑色、2.32μmの画像を青色に着色して合成した画像です。 どのフィルタも赤外線の波長なので、人の目では見えない世界です。 また、本来2μmカメラIR2は1024ピクセル×1024ピクセルなのですが、今回は画像の一部を切り取っています。 (室内の真空チェンバー内にカメラを設置して窓越しに外を見ているため、窓の縁と壁が写っている部分は除きました)

窓越しの風景なので少し窓ガラスの反射も見えますが、とても鮮明に電線の一本一本まで写っています。 人間の目では見えない細かな雲の濃淡の違いもしっかりと見えます。 しかし、実はこれでも完全には焦点が合っていない状態なのです。 カメラはPLANET-Cに乗って宇宙に出た時の温度で焦点が合うように調整されているため、 このテスト画像を撮ったときの温度では少し高すぎるのです。 つまり、金星到着後はこれよりも更にクリアな雲の画像を撮ることができます。 その画像を目にする日が今から楽しみです。 (JAXA大月祥子)

2009年7月13日

紫外イメージャUVIサイトのリニューアル

PLANET-C搭載の紫外イメージャUVIのサイトが新しくなりました。 UVIは北海道大学・渡部重十教授を中心とし、JAXA宇宙科学研究本部、日本国内の大学、 ドイツ・マックスプランク研究所の研究者からなるチームによって開発が行われています。

紫外イメージャUVIの新しいサイトは下記リンクからたどれます。今後ともよろしくお願いいたします。

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2009年7月10日

総合試験実施中 30日目

PLANET-Cの観測装置はカメラだけではありません。 昨日7月9日には電波掩蔽観測のために搭載する超高安定発振器の試験を行いました。 探査機と地上の受信局を結ぶ電波は、探査機が金星の向こう側に隠れる際に金星大気をかすめるのですが、 このときに電波が屈折する様子を地上での受信周波数の変化から推定して大気の層構造を調べようというのが、電波掩蔽観測です。 この観測のために探査機は周波数がよく安定した電波を送信する必要があり、基準信号源としてこの発振器を使います。 発振器から出た信号はトランスポンダーという中継器で周波数変換されて送信電波となるのですが、 このトランスポンダーにも高い性能が求められます。 今回初めて、発振器とトランスポンダーのフライトモデルを組み合わせて全体の性能を評価したのですが、結果は良好でした。 このあと、これらの装置は探査機本体に取り付けられ、さらなる試験が行われます。

写真は衛星本体の横で行われた試験の様子です。 左下の黒い箱が超高安定発振器、その右側の銀色の箱がトランスポンダーです。  (JAXA今村剛)

2009年7月8日

総合試験実施中 28日目

総合試験が始まって、もう1か月以上が経過しました。 先々週の6月22日から今日までは観測機器関係の電気試験や金星到着後に使用する観測用プログラムのテストが行われました。 各機器ごとには最終調整が進んでいても、実際に他の機器と組み合わせて動作させたり、 一連の観測用プログラムを流してみるとやはり様々な問題が出てきます。 そのような問題を洗い出すのが今回の試験の目的です。 見つかった問題についてはすぐに対策を検討し、限られた時間の中で調整を行なっていきます。 大変な作業ですが、打ち上がってからでは直せない問題点を見つけ出す大切な過程です。

写真は電気試験中の風景(左)と今日の上部パネル(右)です。 衛星が組み立てられているクリーンルームとは別の部屋から衛星にコマンドを送っています。 クリーンルームは吹き抜けの構造になっており、コマンドを送る部屋は2階にあるため、 ちょうど写真前方の窓から見下ろす位置に衛星があります。 (JAXA大月祥子)

2009年7月1日

Venus Express - Venus Climate Orbiter Joint Science Meeting

本日から欧州の金星探査機Venus ExpressチームとPLANET-Cチーム (海外では"Venus Climate Orbiter"=「金星気象衛星」の名前で親しまれています)の合同サイエンス会議が始まりました。

写真は会議風景と今日のセッション終了後の宇宙科学研究本部内の見学時の様子です。 明後日までの3日間で、 Venus Expressが観測した最新の結果の報告や、PLANET-Cの開発状況、理論や地上観測など金星に関わる様々な研究、 PLANET-C金星到着後の共同観測の作戦などについて多くの発表や議論が行われます。 (JAXA大月祥子)

2009年6月16日

総合試験実施中 12日目

総合試験3週目です。 検査を終えた機器の組み付けや今後の電気試験に向けてのセットアップが進んでいます。

写真は今日の上部パネルの様子です。 前回(6月8日)の写真から一週間、たくさんの機器が組み付けられました。 今日の午後には、観測用カメラの中で最も大きな2μmカメラIR2の組み付けが行われました。 左の写真はその作業前の様子で、パネルの左下部分が大きく空いています。 そこに右の写真のように4人がかりでIR2を組み付けました。 (JAXA大月祥子)

2009年6月11日

PLANET-C紹介動画の更新

5月26日のPLANET-Cニュースでご紹介した動画「金星大気の謎に挑む〜金星探査機PLANET-C〜」が、 小さな改良に伴い、アップロードし直されたそうです。再アップロードによってURLも変更になりました。 残念ながらリセットされてしまいましたが、前バージョンのYouTubeでの再生回数はかなり伸びていました。 多くの皆さまに見て頂けているんだと、関係者一同嬉しく思っております。ありがとうございます。

新しいURLは下記リンクからたどれます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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2009年6月8日

総合試験実施中 6日目

総合試験の2週目が始まりました。総合試験初日の衛星構体を始め、現在、様々な機器の搬入が行われています。 各機器はISASに到着後、単体での検査を受けてから一つ一つ組み付けられていきます。

写真は機器組み付け前の上部パネルです。3枚屏風のような形になっていますが、 真ん中の一枚は高利得アンテナを取り付けるために外されています。 2008年11月28日のPLANET-Cニュース「一次噛み合わせ試験実施中」でご紹介した写真のように、 この上部パネルには5つのカメラを始めとするたくさんの機器が組み付けられます。 (JAXA大月祥子)

2009年6月5日

ISASコラム「宇宙・夢・人」

宇宙科学研究本部(ISAS)のページで連載されているコラム 「宇宙・夢・人」 にPLANET-Cメンバー、推進系・中塚さんが登場しました。 このコラムは宇宙科学研究本部で働く人たちの様子を皆さんにご紹介するシリーズで、 PLANET-Cチームからは過去にもプロジェクトサイエンティストの今村さん、通信系の長江さんが登場しています。

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2009年6月1日

総合試験開始

いよいよ本日からPLANET-Cの総合試験が始まりました。

総合試験では、一時噛み合わせ試験後それぞれに最終調整を行なってきた各機器・部品を再び集め、 組み上げ、様々な試験を行なっていきます。 初日の今日は機器・部品の一部や衛星構体が搬入されました。 写真は衛星構体が入ったコンテナが運び込まれる様子です。 (JAXA大月祥子)

2009年5月26日

PLANET-C紹介動画

PLANET-Cの紹介動画「金星大気の謎に挑む〜金星探査機PLANET-C〜」ができました。 JAXA動画やYouTubeのJAXA channelからご覧になれます。

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2009年5月7日

LIRが見る風景

一次噛み合わせ試験の終了からもう4か月が経ちました。 来月からはいよいよ総合試験が始まります。 その間、PLANET-Cチームではそれぞれの担当機器、部品の調整や試験を行なって来ました。

上の写真は1月に中間赤外カメラLIRの試験中に撮ったものです。 左がJAXA宇宙科学研究本部相模原キャンパスの実験室の窓から普通のデジカメで撮った写真、 右が中間赤外カメラLIRで撮った画像です。

2つの写真は多少のずれはありますが、ほぼ同じ場所を撮っています。 デジカメでは私たちの目に見えるものと同じ景色、LIRでは10μmの光の世界が撮れます。 単色なので白黒画像ですが、デジカメの写真を単純に白黒に変換したものとはまた違う世界です。 目で見た時には一番明るい空が、10μmでは山や木や建物に比べて暗く、さらに雲の様子がはっきり見えます。 これはそれぞれの温度の違いが表れています。 LIRはこのような肉眼では見えない温度の違いを捕えて、 金星の雲の温度・高度の分布やその変化を明らかにします。 (JAXA大月祥子)

2009年1月6日

2009年仕事始め

あけましておめでとうございます。 本年もPLANET-Cをどうぞよろしくお願いします。

PLANET-Cチームは昨日1月5日より2009年の作業を開始しました。 年末に引き続き衛星の解体が行われています。 左の写真は観測用の2μm赤外線カメラIR2を上部パネルから取り外すところです。 11月28日の写真では上部パネルに様々な機器が取り付けられていましたが、 現在は既にそのほとんどが外されています。

右の写真は机の上に並べられた取り外し後の観測用カメラです。 手前から順に、 紫外線イメージャUVI(青いプレートの下にある黒いカメラ)、 1μm赤外線カメラIR1、 中間赤外カメラLIR(透明なケースに入っているカメラ)、 雷・大気光カメラLAC(金色のシートに包まれているカメラ) です。

次にこのカメラたちが一堂に会するのは半年後の総合試験です。 金星でのデータが地球に届く日を楽しみに、今年もチーム一丸となって頑張ります。 (JAXA大月祥子)