PLANET-Cニュース
金星探査機PLANET-Cの最新情報をレポートします。
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2010年12月14日
あかつきプロジェクトを応援してくださっている皆様へ
金星周回軌道投入中”あかつき”は思いもかけぬ事態に遭遇したと考えられ、残念ながら今回の軌道投入は失敗に終わりました。プロジェクトメンバーは悔しい思いをかみしめていますが、この気持ちは応援してくださった皆様も共有していらっしゃると思います。
今回の失敗を受けて昨日、”あかつき”のプロジェクトミーティングが開かれました。以下はそこでプロジェクトメンバーに私が言ったことです。
”日本国民、さらには世界が、今我々がどの様に行動するかを注視している。このまま、多くの人的財政的労力を注いだミッションを無駄にしてしまうのか、さらに将来に向けた教訓をここから引き出し、今回の失敗を乗り越えて新しいミッションを打ち立てていくのか?我々のなすべき事は明らかだ。”
幸い私たちはまだ”あかつき”を手の内にしています。ミッションは失われたわけではありません。まずは原因究明に全力を尽くし、続くミッションで同じ過ちを繰り返さないこと。そして、いまの”あかつき”を無事に飛行させ、そして”あかつき”の弟、妹達を宇宙に旅立たせ、人類の知識の獲得に向けて邁進すること。これが我々宇宙科学に携わる者の使命です。
金星探査の意義は今も決して失われてはいません。金星の謎を解く日まで我々とともに歩んでいただけますようお願い申し上げます。
中村正人
あかつき衛星主任
2010年12月14日
2010年12月10日
「あかつき」が撮った最初の金星
平成22年12月9日、中間赤外カメラ(LIR)、紫外線イメージャ(UVI)、1μmカメラ(IR1)の3台を立ち上げ、金星を撮影しました。撮影時刻は午前9時頃(日本時間)で、このとき「あかつき」と金星の距離は約60万kmでした(参考:地球と月の平均距離は約38万km)。「あかつき」から見た金星の視直径は約1.2度で(参考:地球から見た月の視直径は約0.5度)、金星を夜の方向から見ています。
※画像をダウンロードしてご使用の際は、「提供:JAXA」と表記願います※
中間赤外カメラ (LIR) 波長10μm
視野: 縦12.4度×横16.4度
画素数: 縦248×横328
紫外線イメージャ (UVI) 波長365nm
視野: 縦12度×横12度
画素数: 縦1024×横1024
1μmカメラ (IR1) 波長0.9μm
視野: 縦12度×横12度
画素数: 縦1024×横1024
2010年12月08日
「あかつき」の現在の状況について
平成22年5月21日(日本標準時、以下同)に種子島宇宙センターから打ち上げた金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入マヌーバ(VOI-1)を 12月7日8時49分から実施しましたが、軌道推定の結果、金星周回軌道への投入ができなかったことが確認されました。 現在、宇宙航空研究開発機構内に宇宙科学研究所長を長とする調査・対策チームを設置し、あかつきの金星周回軌道投入に失敗した原因につきまして調査中です。
最新のプレスリリース等については以下のページをご覧ください。
- JAXA | あかつき特設サイト
- JAXA | 金星探査機「あかつき」(PLANET-C)
- ISAS | トピックス
これまでのプレスリリース
- 2010/12/08 15:30 | 金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入結果について
- 2010/12/08 11:00 | 金星探査機「あかつき」の金星周回観測軌道投入(VOI-1)の結果について
2010年12月07日
「あかつき」軌道投入日
本日2010年12月7日8時49分00秒(日本時間)に、金星探査機「あかつき」は金星を周回する軌道に入るための軌道制御エンジンの噴射を実施する予定です。 その後、Z軸地球指向への姿勢変更等を経て、21時頃には金星周回軌道を決定する予定です。
昨日12月6日午前7時50分に金星周回軌道のための姿勢変更を実施し、軌道投入の準備を整えました。 今後の計画は以下のとおりです。
「あかつき」の軌道投入計画
イベント | 実施予定日時(JST) | 金星最接近時刻 (12/7 09:00JST) からの相対時間 |
軌道制御エンジン(OME)噴射開始 | 12月7日 08時49分00秒 | 11分前 |
地食開始、地上局との通信断 | 12月7日 08時50分43秒 | 約9分前 |
OME噴射終了 | 12月7日 09時01分00秒 | 1分後 |
地食終了、通信再開 | 12月7日 09時12分03秒 | 約12分後 |
日陰開始 | 12月7日 09時36分37秒 | 約37分後 |
日陰終了 | 12月7日 10時40分44秒 | 約1時間41分後 |
Z軸地球指向への姿勢変更 | 12月7日 10時59分00秒 | 約2時間後 |
中利得アンテナ(MGA)から 高利得アンテナ(HGA)への切替 |
12月7日 12時09分00秒 | 約3時間後 |
金星周回軌道決定 今後の軌道修正計画作成 |
12月7日 21時頃 | 約12時間後 |

あかつき最新情報・応援企画を以下にまとめました。
■Twitter「あかつき」チーム■
「あかつき」チームから発信する最新の情報はこちらになります。
■「あかつき」応援Twitterサイト■ 「あかつき」チームからのつぶやきと、応援してくださる皆さまのつぶやきを見ることが出来ます。
■NEC特設サイト カウントダウン■ 金星軌道投入が行われる2010年12月7日午前9:00までの時間のカウントダウンと、「あかつき」〜金星中心までの距離※のカウントダウン! (※金星半径6052kmが含まれます。)
■金星軌道投入運用パブリック・ビューイング■ JAXA相模原キャンパスでは「あかつき」の金星軌道投入運用時の管制室の様子についてパブリックビューイングを実施します。 実施時間は12/7午前7:00〜13:00です。
■宇宙教育テレビ■ JAXAのインターネット放送「宇宙教育テレビ」でも管制室の様子を放送します。 放送時間は12/7午前8:00〜10:00です。
■ニコニコ生放送■ ニコニコ生放送でも相模原キャンパスからの中継を行うそうです。 放送時間は12/7午前8:00〜です。
■あかつき特設サイト 応援メッセージ■ 皆さまから頂いた応援のメッセージが公開されています。いつも温かい応援、ありがとうございます!
■あかつき特設サイト あかつきくん・きんせいちゃんを作って軌道投入を応援しよう!!■ 皆さまから頂いた手作りの「あかつきくん」「きんせいちゃん」です。驚愕の作品ぞろいです。ぜひ一度ご覧ください!! いつも感動しながら皆さんの作品を拝見しています。ありがとうございます。■あかつきの星へ■ たくさんの方に応援いただいている「あかつき」ですが、JAXA宇宙科学研究所の中にも心強い応援団がいます。 総合試験終了に合わせたプロジェクト壮行会では所内の有志による合唱が行われ、 「あかつき」のために作られた曲「あかつきの星へ」が披露されました。 プロジェクトメンバーがいつでも聞けるようにと、 壮行会での歌声とともに総合試験中の数々の写真が流れる動画がYoutubeにアップされています。 9ヵ月間に渡った総合試験の様子が垣間見える動画です。
2010年12月06日
「あかつき」搭載カメラによる地球撮像
金星への航行中である2010年10月26日に「あかつき」搭載カメラを用いた地球撮像を実施しました。 このときの「あかつき」と地球の距離は約3000万kmで、前回(2010/5/21)の地球撮像時の100倍以上の距離からの撮像であるため、数ピクセルの大きさにはなりましたが、撮像を行なった4つのカメラ(1μmカメラIR1, 2μmカメラIR2, 紫外線イメージャUVI, 中間赤外線カメラLIR)全てに地球の像が確認できました。 なお、雷・大気光カメラ(LAC)の立ち上げは後日に予定されています。
また、IR2, LIRでは地球の横に月の像を確認できました。 IR1, UVIについては地球に合わせた露出時間での撮像であったため、月の像は検出されませんでした。
※画像をダウンロードしてご使用の際は、「提供:JAXA」と表記願います※
1μmカメラ (IR1) 波長0.9μm
視野: 縦12度×横12度
画素数: 縦1024×横1024
2μmカメラ (IR2) 波長2.02μm
視野: 縦12度×横12度
画素数: 縦1024×横1024
紫外線イメージャ (UVI) 波長365nm
視野: 縦12度×横12度
画素数: 縦1024×横1024
中間赤外カメラ (LIR) 波長10μm
視野: 縦12.4度×横16.4度
画素数: 縦248×横328
2010年12月05日
皆さまからのメッセージと共にまもなく金星到着!
ちょうど1年前、「お届けします!あなたのメッセージ、暁の金星へ」として、 皆さまのお名前とメッセージを募集するキャンペーンを実施しました。 webからの個人応募、学校・科学館などを通じての団体応募合わせて26万人という多くの方々からメッセージをお寄せいただきました!
これらのメッセージのデータは100枚のアルミプレートに白黒で印刷後、ベーキングなどの処理を経て、 バランスウェイトとして「あかつき」の機体に取り付けられ、2010年5月21日に旅立ちました。 12月5日現在、皆さまのお名前・メッセージは「あかつき」とともに金星到着間際です。
寄せられたメッセージ全てをサイト上でご紹介することは難しいため、 掲載許可を頂いた著名人の方々からのメッセージを2009年末のPLANET-Cニュースでご紹介していました。 年明け後は「あかつき」の総合試験に追われ、ご紹介のタイミングを逃してしまったものが多数ありますので、 金星到着目前のこの機会に紹介させていただきます。 1年前に書いたメッセージを、皆さまにも思い出していただければ幸いです。
[左]人工衛星の擬人化で活躍されているしきしまふげんさんからのイラスト
[右]漫画『ケロロ軍曹』の作者・吉崎観音先生からのイラスト
[左]友綱部屋の大関・魁皇関からのメッセージと手形
[右]宮城野部屋の横綱・白鵬関からのメッセージと手形
[左]ドラマ「ふたつのスピカ」で宇宙飛行士を目指す高校生を演じ、日本宇宙少年団(YAC)の宣伝キャプテンもつとめる女優・足立梨花さんからのメッセージ
[右]女優・平山あやさんからのイラストとメッセージ
[左]キャスターでタレントの皆藤愛子さんからのメッセージ
[右]とんねるずの木梨憲武さんからのメッセージ
[左]シンガーソングライター・吉田拓郎さんからのメッセージ
[右]ロックバンドGOING UNDER GROUNDのリーダー・河野丈洋さんからのメッセージ
[左]高田川部屋の力士・暁太郎さんからのメッセージ
[右]作曲家・神山純一さんからのメッセージ
リンク
2010年10月22日
「あかつき」搭載カメラによる「いて座」撮像
10月8日に「あかつき」搭載カメラによる「いて座(一部)」の撮像を実施しました。今回の撮像では、臼田宇宙空間観測所との通信中に探査機のカメラ取り付け面を「いて座」方向に向け、中間赤外カメラ(LIR)、紫外イメージャ(UVI)、1μmカメラ(IR1)、2μmカメラ(IR2)を動作させて画像を取得しました。
動作させた4つのカメラのうち、UVIとIR1で撮像した画像中に星像が認められました。「あかつき」のカメラは非常に明るい金星用に設計されているために星像はかなり暗いものの、2〜4等星のいくつかを同定することが出来ました。
画像に写っているのは「いて座」の一部ですが、紫外線をとらえるUVI・赤外線をとらえるIR1が写し出した「いて座」は人間の目とは見え方が異なっています。人間の目で見ると、赤い星や青白い星など星によって少しずつ色が違います。これは星の表面温度を反映していて、温度が高い星は青く、低くなるに従って白→黄色→橙→赤と変化します。あかつきのカメラは「紫外線」や「赤外線」という目に見えない光をとらえますが、温度の高い青い星は「紫外線」を多く発生し、比較的温度の低い赤い星は「赤外線」を多く発生します。このため、UVIでは青い星を、IR1では赤い星を検出しやすくなります。実際にUVI, IR1のそれぞれの画像を比べると、一方で検出されていない星が他方では検出されているなどカメラによる違いが現れていました。
また、LIRおよびIR2に関しては、観測波長域や検出器温度状況から今回の撮像条件では星が検出されないことが事前に予測されており、それぞれの条件下で適正な画像を取得しました。これらの撮像の結果から、現時点で各カメラが健全な状態であると確認しました。
紫外イメージャ(UVI)
視野: 縦12度×横12度
画素数: 縦1024×横1024
観測波長:365nm
1μmカメラ(IR1)
視野: 縦12度×横12度
画素数: 縦1024×横1024
観測波長:0.90μm(金星夜面用フィルタ)
観測位置での星図

今回の撮像範囲は赤経18h43m30s 赤緯-28°59'を中心とした視野12度角で、いて座の一部分に相当します。星図中のε,σなどは星の名前を、数字は可視での等級を示しています。青字はB型星、白字はA型星、オレンジはK型星を表します。
点線の枠はおよそのカメラ視野に相当し、検出された星を青(UVI)と赤(IR1)の◯で示しました。UVIでは温度の高い青い星(B型星)がよく見え、IR1では温度の低い赤い星(K型星)がよく見えています。
参考:
以下の星図の作成には株式会社アストロアーツのステラナビゲータを使用しました
いて座撮像時のイメージ図

10月8日のあかつきは金星と地球のほぼ中間に位置し、姿勢変更によりカメラ搭載面を いて座方向に向けて撮像を実施しました。図中央下部の大きなボール状のものが太陽、「あかつきくん」マークの左右のパドル上が地球と金星です。
※図中の「あかつきくん」の位置とサイズはイメージであり正確なものではありません。
2010年10月12日
応援ありがとうございます
打上げから今日で145日めになりました。 現在のあかつきは、地球から約3000万km離れた宇宙を金星に向けて航行中です。 金星軌道投入の12月7日までもあと2カ月を切り、 「あかつき」チームでは日々の運用に平行して、 カメラの動作確認や金星軌道投入とその後の観測に向けた運用計画作りを行なっています。
そんな中、特設サイトやTwitter、お手紙などを通じて頂いている皆さまからのメッセージは、 「あかつき」チームにとって大きな力になっています。 いつも温かい応援をありがとうございます。 今後とも金星探査機「あかつき」をよろしくお願いいたします。 (JAXA大月祥子)
打ち上げから4か月、さまざまな形で皆さんに応援していただいています。
愛知県立足助高等学校1年C組の皆さんが作って下さった「あかつき&イカロス」のパッチワーク作品です。 一辺1.5mを超える大作で、なんと半年がかりで作り上げて下さったそうです!!
また、他にも、 お手紙やお菓子、可愛いイラスト、科学衛星の手ぬぐい、ビーズの「あかつき」、フェルトの「あかつきくん」など、 これまでにたくさんの方々から心のこもったプレゼントを頂きました!
2010年8月11日
金星探査機と桃のご縁
先日、福島県くだもの消費拡大委員会の方々が金星探査機「あかつき」の応援のために、 相模原キャンパスまで駆けつけてくださいました! 福島県では「あかつき」という品種の桃が生産されており、 同じ名前を持つご縁から金星探査機「あかつき」のことを皆さんで応援してくださっているそうです。
温かい応援に加え、美味しい桃までいただいてしまいました!! 福島県くだもの消費拡大委員会の皆さま、ありがとうございました。
プロジェクト内で相談して決めた「あかつき」という名前ですが、 その言葉の美しさゆえ、 桃だけでなく、学校やお酒、列車、漫画の登場物など、同じ名前を持つものがたくさんあります。 他の何かを意識した名付けではありませんが、 同じ名前という偶然が金星探査機「あかつき」に興味や親しみを持っていただくきっかけになっているとしたら、 とても嬉しいです。 今後とも金星探査機「あかつき」をよろしくお願いいたします。 (JAXA大月祥子)
2010年7月6日
世界初・セラミックスラスタによる軌道制御実施
先週6月28日、「あかつき」は軌道制御エンジン(OME)の噴射を実施し、 新規に国内で開発された窒化珪素(Si3N4)製セラミックスラスタの世界初の軌道上実証に成功しました。
このスラスターはヒドラジンと四酸化二窒素を燃料とする液体ロケットエンジンで、主に金星軌道投入時の逆噴射に使われます。 今回の噴射は金星への接近条件を調整するとともに、金星周回軌道投入の際のエンジンの出力特性を把握も目的としていました。 その後実施したJAXA内之浦局、同臼田局、NASA深宇宙ネットワーク(DSN)局による詳細な軌道追跡の結果、 13秒間のOMEの燃焼で約12m/sの速度修正というほぼ計画通りの軌道制御が行われたことを確認しました。
次回の軌道制御(微調整)は11月上旬頃に実施予定で、金星への最接近および金星周回軌道への投入は12月7日となる予定です。
今回軌道上実証に成功した軌道投入用500N級セラミックスラスター
リンク:
- JAXA | プレスリリース | 金星探査機「あかつき」の軌道制御の実施結果についてて
- JAXA | あかつき特設サイト | プロフェッショナル暁|中塚 潤一[2010年4月5日更新]
2010年6月16日
地球〜「あかつき」間距離1000万km突破
打ち上げからひと月近くが経ちました。 現在の「あかつき」は順調に飛行しており、ついに地球との距離1000万kmを突破しました (注:「あかつき」の飛行距離ではなく、地球と「あかつき」との直線距離です)。 この距離では、通信に片道34秒かかります。 送ったコマンドの結果がステータス画面に反映されるまで1分以上待つようになりました。
現在は、飛行中の「あかつき」の状態が正常であるかを確認しながら、 金星に向かうためや着いてからの観測のための試験も少しずつ実施しています。 特に、今月は姿勢系チームが主役となる試験を行なっています。
宇宙での飛行中、「あかつき」は太陽から光の力(太陽光圧)を受けます。 太陽光圧はとても小さい力なのですが、徐々に蓄積されるためずっと受けていると 「あかつき」の姿勢に悪い影響(外乱)となります。 そこで、この影響がどれ程あるのか、 飛行しながら太陽に向かう姿勢や太陽電池パドルの角度を少しだけ変えて測定を行ない、 太陽光圧の力が小さくなるような姿勢を探します。 (金星に到着してからでは、太陽光圧以外に金星の重力や金星大気による外乱も考えられます。 そのため、外乱の中で太陽光圧の影響が一番大きい金星に向かう期間に、 その影響がどれ位あるのかということを知っておくことが重要です。)
また、もうしばらくすると「あかつき」は金星に向かうために精度の高い軌道決定を行います。 約1ヶ月におよぶその期間中は、なるべく軌道に影響を及ぼす作業を控えるようにしなければなりません。 あかつきは自分の中にぐるぐる回るはずみ車(ホイール)を持っていて、これを操作することで外乱を打ち消します。 しかし、ホイールの回転数が限界とならないように、 定期的に燃料を燃やしてガスを吹いて、回転数を調節しなければなりません。 現在は週に1回のペースでガスを吹いて調整を行っています。 しかし、ガスを吹くとわずかですが金星に向かう軌道が変化します。 そこで、今回の試験で太陽光圧の影響を小さくする姿勢を見つけて、 軌道決定期間中その姿勢を保っていれば、ガスを吹かない期間を延ばすことができます。 これによって、より精度の高い軌道決定が可能になります。 (JAXA成田伸一郎・大月祥子)
2010年5月23日(2)
「あかつき」搭載カメラ初期機能確認
平成22年5月21日午前6時58分22秒(日本時間:以下も同様)に打ち上げられた金星探査機「あかつき」には観測装置として5台のカメラと超高安定発振器が搭載されています。 打ち上げ当日である5月21日夜、内之浦宇宙空間観測所との通信試験中に中間赤外カメラ(LIR)、紫外線イメージャ(UVI)、1μmカメラ(IR1)の3台を立ち上げ、機器の状態を確認するために地球を撮影しました。
撮影時刻は5月21日午後8時50分頃で、このとき「あかつき」と地球の距離は約25万kmでした(参考:地球と月の平均距離は約38万km)。 「あかつき」から見た地球の視直径は約3度で、地球を夜の方向から見ています。 この撮影の結果から、これらの機器の状態が、現時点で確認が済んだ範囲では正常であると判断しました。 なお、2μmカメラ(IR2)と雷・大気光カメラ(LAC)と超高安定発振器(USO)の立ち上げは後日に予定されています。
※画像をダウンロードしてご使用の際は、「提供:JAXA」と表記願います※
中間赤外カメラ (LIR) 波長10μm
視野: 縦12.4度×横16.4度
画素数: 縦248×横328
この赤外線波長では太陽光の反射光ではなく地球自身が放つ赤外放射を見ることができるため、太陽光に照らされている場所も照らされていない場所も同じように見えます。 高層の雲は冷たいために赤外放射が弱く暗く写ります。 低層の雲や雲がない地域は暖かいために赤外放射が強く、明るく写ります。 この地球画像の中央にはオーストラリア大陸があり、下のほうには冷たい南極大陸が暗く写っています。 このカメラは金星で雲の温度分布を調べます。
紫外線イメージャ (UVI) 波長365nm
視野: 縦12度×横12度
画素数: 縦1024×横1024
主に高い高度の大気によって散乱された太陽光を見ているため、雲や地面の模様はあまり明瞭ではありません。 このカメラは金星で雲の構造や紫外線吸収物質の分布を調べます。
1μmカメラ (IR1) 波長0.9μm
視野: 縦12度×横12度
画素数: 縦1024×横1024
大気をよく透過する波長であるため、雲の細かな模様が見えています。 このカメラは金星で雲の構造や地表面の様子を調べます。
2010年5月23日
「あかつき」打上げ成功のご報告
2010年5月21日6時58分22秒、金星探査機「あかつき」を乗せたH-IIAロケット17号機が無事に打ち上げられました。 同日16時40分、「あかつき」からの電波を内之浦宇宙空間観測所において受信し、 太陽電池パネルの展開、太陽捕捉制御など一連のシーケンスが正常に行われたことを確認しました。 皆さまからの応援に、プロジェクト一同、心から感謝いたします。
リンク:
- JAXA | プレスリリース | H-IIAロケット17号機による金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の打上げ結果について
- JAXA | プレスリリース | 金星探査機「あかつき」の初期運用結果について
2010年5月19日
「あかつき」打上げ5月21日午前6時58分22秒に再設定
金星探査機「あかつき」を乗せたH-IIAロケット17号機の打ち上げを18日に予定していましたが、 射場近辺に打ち上げ制約条件の規定以上の氷結層を含む雲が観測されたため、打上げを延期しました。 詳細はプレスリリースをご覧ください。
また新しい打上げ予定日時は、気象状況を確認した結果、5月21日午前6時58分22秒に設定されました。 これにともない、打ち上げライブ中継は21日6:30から放送する予定です。 ライブ中継についての詳細はあかつき特設サイトをご覧ください。
前回の打ち上げ予定時には、行ってらっしゃい観望会・パブリックビューイング会場・特設サイトの応援メッセージ・Twitter等を通じて たくさんの方々に応援の言葉をいただきました。 打上げ延期が決まった後も、ご理解ある励ましのメッセージを多くいただいております。 皆さまからの温かい応援、本当にありがとうございます。
相模原キャンパスでのパブリックビューイングの際に、可愛いあかつきくんときんせいちゃんのバッジが届きました! きんせいちゃんの顔のスーパーローテーションまでも再現されています。ありがとうございます! また、特設サイト内の「応援メッセージ」コーナーにもメッセージとともにいろいろな写真を送っていただいています。 Twitterでは17日朝〜18日昼までの間に1000件を超えるAkatsuki_JAXA宛ツイートをいただきました。 応援いただいた皆さまお一人お一人に返信することは難しいですが、 打上げ・金星探査そのものを通じて返していけるよう気を引き締めて頑張ります。
2010年5月13日
打上げに向けて
打ち上げまであと5日となりました。 プロジェクト関係者同士、顔を合わせては「あと○日ですね」「いよいよですね」と言い合う毎日です。 このサイトは現在、プロジェクトメンバーによって更新されているため、 打ち上げ直前直後の動きをご報告することが難しくなると予想されます。 そこで今日は、打ち上げに向けてのお知らせをまとめて書かせていただきます。
■Twitter「あかつき」チーム■
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、「あかつき」チームでは最新の情報を発信するためにTwitterを始めました。
特設サイトやプロジェクトサイトの更新情報、イベント情報などをお知らせしています。
■打上げライブ中継〜JAXA放送■ JAXAでは、金星探査機「あかつき」を載せたH-IIAロケット17号機の打ち上げの模様を、 種子島宇宙センターからインターネットを通じて映像を生中継します。 また、JAXAウェブサイトだけでなく、配信協力サイト(一部の携帯電話向けサイトを含む)、ケーブルテレビでも同じ映像をご視聴頂けます。 詳しくは特設サイトの「ライブレポート」よりご覧ください。
■打上げパブリックビューイング■ 札幌市、東京(丸ノ内・八王子)、神奈川、愛知、鹿児島の6か所で打上げのパブリックビューイングを実施します。入場無料です。 会場等詳細については、特設サイトの「ライブレポート」よりご覧ください。 ※「ライブ中継」のページの後半にパブリックビューイングについての詳細も書かれています。
■ISASニュース■ 宇宙科学研究所広報誌「ISASニュース」にて、新連載 "金星探査機「あかつき」の挑戦" が始まりました! 2010年4月号 掲載の第一回めは中村正人プロジェクトマネージャーによる "「あかつき」立ち上げのころ" です。 打上げを目前にして振り返るミッションの歩みをご覧ください。
■ISASメールマガジン■ ミッションの歩みを振り返るという意味をこめて、もうひとつご紹介したいのが、「ISASメールマガジン」。 2004年から続くこのメールマガジンにはたびたび「あかつき(PLANET-C)」関係者が登場します。 打ち上げに向けて歩んできた関係者のその時々の気持ちが綴られています。
- 第029号 2005年03月22日: 電波で太陽系を一刀両断(今村剛)
- 第140号 2007年05月22日: 金星探査機プラネットC(中村正人)
- 第146号 2007年07月03日: 太陽電池は太陽光が苦手!?(豊田裕之)
- 第156号 2007年09月11日: 金星探査機「PLANET-C」の姿勢を正せ!(成田伸一郎)
- 第182号 2008年03月11日: 宇宙タクシー(中塚潤一)
- 第234号 2009年03月17日: 「振動」を制するものは「衛星」を制す!(成田伸一郎)
- 第236号 2009年03月31日: 金星への道(大月祥子)
- 第234号 2009年11月17日: 金星との往復書簡(今村剛)
- 第272号 2009年12月08日: 世界天文年を締めくくる金星探査機「あかつき」メッセージキャンペーン(阪本成一)
- 第293号 2009年05月04日: 金星探査機「あかつき」の待つ種子島へ(大月祥子)
■あかつきの星へ■ たくさんの方に応援いただいている「あかつき」ですが、JAXA宇宙科学研究所の中にも心強い応援団がいます。 総合試験終了に合わせたプロジェクト壮行会では所内の有志による合唱が行われ、 「あかつき」のために作られた曲「あかつきの星へ」が披露されました。 プロジェクトメンバーがいつでも聞けるようにと、 壮行会での歌声とともに総合試験中の数々の写真が流れる動画がYoutubeにアップされています。 9ヵ月間に渡った総合試験の様子が垣間見える動画です。
2010年5月10日
種子島便り(4) 大型ロケット組立棟へ
打ち上げまであと8日となりました。 昨日5月9日、金星探査機「あかつき」が格納された衛星フェアリングが、 衛星フェアリング組立棟(SFA)から大型ロケット発射場内の大型ロケット組立棟(VAB)に移され、ロケットと結合されました。
衛星フェアリングは、専用の大きな移動台車に乗せられ、種子島宇宙センター内を移動しました。 移動したその先であるVABは、全長50mを超えるロケットを組立・点検・整備するための巨大な建物です。 組み立てたロケットを出すときの搬出口はロケットを起こしたままで通すことができ、 その扉は「世界最大の引き戸」としてギネスブックにも登録されているそうです。
写真はVABまでの移動風景(写真:左)と、 VAB内で衛星フェアリングを吊り上げて(写真:中)、ロケットに結合(写真:右)したときの様子です。 右の写真だけでは、一見、衛星フェアリングがあるだけにも見えますが、 真ん中の写真を良く見るとフロアの下にロケットの2段目があることが分かります。 (JAXA大月祥子)
リンク:
- JAXA | あかつき特設サイト | H-IIAロケットの概要
- JAXA | 種子島宇宙センター構内マップ
- JAXA | 大型ロケット発射場配置図
2010年5月6日
種子島便り(3) フェアリング内への格納
GWも終わり、打ち上げまであと12日です。 一昨日5月4日、種子島宇宙センター・衛星フェアリング組立棟(SFA)では、 金星探査機「あかつき」が衛星フェアリング内に格納されました。
衛星フェアリングは、ロケットが大気圏内を飛行している間の空気抵抗や摩擦熱などから探査機を守る覆いで、 空気の影響がなくなる高度で分離されます。 また、H-IIAロケットのフェアリングには全部で6種類の形状があり、今回の17号機では4m径の4S型が使用されています。
今後、衛星フェアリングは現在のSFAから運び出され、種子島宇宙センター内を大移動し、 いよいよ大型ロケット発射場内にある大型ロケット組立棟(VBA)に移ります。 (JAXA大月祥子)
2010年4月30日
種子島便り(2) 衛星分離部・衛星搭載アダプタとの結合
打ち上げまであと18日になりました。 金星探査機「あかつき」は、現在、種子島宇宙センターの衛星フェアリング組立棟(SFA)で打ち上げ準備が進められています。
今週27日に最終外観検査を終え、本日午前、ロケットと探査機を繋ぐ台座である衛星分離部との結合作業が行われました(写真 左)。 また、午後には、一緒に打ち上がる小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」等が格納されている衛星搭載アダプタの上部に結合されました (写真 中:「あかつき」吊り上げの様子。衛星搭載アダプタ内に「IKAROS」が見えている。 / 右:結合作業全景。黄色い「衛星/フェアリング昇降装置」の上に衛星搭載アダプタがあり、その上に「あかつき」の衛星分離部、 「あかつき」本体が乗っている。)。
このゴールデンウィーク中には、衛星/フェアリング結合があり、探査機はフェアリング内に格納されます。 その後、大型ロケット組立棟(VAB)へ運ばれ、H-IIAロケット17号機への取り付け作業が行われます。 (JAXA大月祥子)
2010年4月23日
2010年4月23日 − 「天体教室トゥインクルタイム」 −
「あかつき」プロジェクトは、 講演会等のイベント会場での励ましの言葉や、 メッセージキャンペーンの際に同封されていたお手紙やイラスト・楽曲など、 様々な場面・形で皆さまに応援していただいています。 いつも本当にありがとうございます! 今回はこれまでプロジェクトに届いたそのような活動の中から、 サイトへの掲載を快く承諾していただけたものをご紹介します。
昨年11月、東京都千代田区の小学校で行われた 「天体教室トゥインクルタイム(子どもゆめ基金助成)」で、 あかつきチームのメンバー2名がプロジェクトの紹介を行いました。
今年3月に行なわれた同教室の研究編では、小学校4年生と5年生の児童が、 「あかつきはどのように金星に行くのか」、「地球と金星」というテーマで 自分たちが調べたことをまとめて発表してくれました。 4年生の男子児童は、パワーポイントで発表の後、 11月に一緒につくった「あかつき」のペーパークラフトと、 地球・金星のペーパクラフトを用いて、 地球を飛び立ち、金星に向かう「あかつき」の飛行経路を説明してくれました。 5年生の女子児童は、地球と金星の比較を画用紙にまとめました。 地球と金星のペーパークラフトを用いて、地形についてよく似ている点や、 金星の温度が高いことについて、自分たちの意見をまとめて発表してくれました。 (「あかつき」プロジェクト共同研究員 木村かおる)
2010年4月22日
「いちばん星みーつけた」キャンペーン
「あかつき」打ち上げまであと26日になりました! 種子島では打ち上げに向けての準備が日々進められています。 その一方では、様々な「あかつき」応援キャンペーン・イベント等も行われています。
JAXA宇宙教育センターでは、 「あかつき」の打ち上げをきっかけに、 「いちばん星」として親しまれている金星の観察や撮影を通してもっと星空に興味を持ってもらうおうと、 KU-MA(NPO法人 子ども・宇宙・未来の会)と一緒にキャンペーンを行っています。 キャンペーンサイトでは、撮影のポイントが“みんなで金星を観察しよう「いちばん星みーつけた」” というテキスト教材にまとめられていますので、お気軽にご参加ください。 (テキストのダウンロードはこちら→[PDFファイル])
皆さまから応募いただいた写真は、JAXA宇宙教育センターのブログ 「おいしい宇宙を召し上がれ♪」で紹介されています。 いま宵の空に輝く金星が明けの明星になる頃、「あかつき」は金星に到着します。 このキャンペーンを通じて、皆さんと一緒に「あかつき」の到着を見守っていければ幸いです。
また、本日JAXA宇宙科学研究所で行われた 野口聡一宇宙飛行士との交信イベント中継の終了後、 「あかつき」のメッセージプレートのレプリカが加山相模原市長に手渡されました。 宇宙科学研究所のある相模原市では「あかつき」メッセージキャンペーンに多くの方々が参加してくださっており、 昨年12月22日の相模原市政令指定都市移行100日前のイベントでは、 市から中村PLANET-Cプロジェクトマネージャへ1万人を超えるメッセージをいただきました。 (「あかつき」メッセージキャンペーン トピックス2009年12月24日更新分) (JAXA大月祥子)
リンク:
- JAXA宇宙教育センター:「いちばん星みーつけた」キャンペーン
- KU-MA:「いちばん星みーつけた」キャンペーン
- JAXA宇宙教育センター:センターBlog おいしい宇宙を召し上がれ♪
- JAXA宇宙教育センター
- KU-MA(NPO法人 子ども・宇宙・未来の会)
- YAC 日本宇宙少年団
- 宇宙教育テレビ
2010年3月23日
種子島便り(1) 「あかつき」到着&フライトオペレーション開始
特設サイト等では既に報告がありましたが、 金星探査機「あかつき」は3月19日17時半頃、無事に種子島宇宙センター第2衛星組立棟(STA2)に到着しました。
プロジェクトマネージャーをはじめとするプロジェクトメンバーも前日18日のうちに飛行機で種子島入りし、 宇宙センターで「あかつき」の到着を出迎えました。 また、この19日よりフライトオペレーションが始まり、5月18日の打ち上げに向けての作業が進められています。
本サイトは主にJAXA相模原キャンパスに勤務するプロジェクトメンバーにより更新されています。 今後も、種子島入りしたメンバーからの近況報告をもとに随時PLANET-Cニュースを発信していきますので、 どうぞよろしくお願いいたします。 (JAXA大月祥子)
2010年3月17日
「あかつき」出発
金星探査機「あかつき」は、本日夕方、種子島宇宙センターへ向けて相模原キャンパスを発ちました。 これまでの試験に関わってきたプロジェクトメンバー、相模原キャンパス内の「あかつき」を応援して下さっている皆さん、 さらにはお向かいの相模原市博物館や道行く方々まで。 たくさんの人たちに見守られての出発でした。
種子島での打上げ、金星への旅、そして観測と、探査機としてはこれからが本番です。 今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。 (JAXA大月祥子)
2010年3月16日(2)
総合試験終了
2010年3月16日(1)
メッセージキャンペーンへのご協力、ありがとうございました!
「あかつき」メッセージキャンペーン では約26万人の皆さまにご応募いただきました!ご協力、ありがとうございました。 寄せられたお名前とメッセージは約90枚の特殊加工のアルミ板に印刷され、 「あかつき」への搭載の準備が整っています。
1月10日のキャンペーン締切から約1ヶ月後、2月中旬にメッセージプレートがJAXA相模原キャンパスに届きました。 加工業者(ジェイエスピー)の社長自らお持ちいただいたメッセージプレートが箱から取り出されたときには、 その硬質な美しさに一瞬、見とれてしまいました。 上の写真(左)は到着したてのメッセージプレートたちです。 Web応募のメッセージが細かな活字でびっしりと並ぶものや、団体応募の寄せ書きが並ぶものがあります。 さっそく衛星組立室で寸法や重量をチェックが行われました(写真・右)。
そして早速、宇宙に旅立つための準備です。 探査機に搭載する以上、このメッセージプレートもベーキングしなければなりません。 真空容器の中で加熱され、表面に付着した水分子などが取り除かれました。 下の写真(左)は真空容器からベーキング済のプレートを取り出すところです。
総合試験も終盤の3月9日、探査機の質量特性測定が行われ、 メッセージプレートは重心調整用の重りの一部として探査機に取り付けられました。 写真(右)はその時の様子です。 この調整用の重りは試験後一度取り外され、種子島での最後の質量測定前に本取り付けが行われます。
またこのメッセージキャンペーンにおいて団体応募でお送りいただいた寄せ書きは、 総合試験期間中、プロジェクトメンバーの控室で保管・閲覧されていました。 皆さまからの温かいメッセージに感謝の気持ちでいっぱいです。 打ち上げまであと2か月余り、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 (JAXA今村剛・大月祥子)
2010年3月5日
あかつき打ち上げ予定日時決定!
金星探査機「あかつき」や小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」、 その他4基の小型副衛星を載せるH-IIAロケット17号機の打ち上げ予定日時が、 2010年5月18日6時44分14秒に設定され、3月3日に発表されました。 打ち上げまで残すところ約2か月半。 現場の空気もますます引き締まり、一日一日を重く感じる日々です。 今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。
打上げ予定日時の発表に伴い、JAXAのウェブページ内に「あかつき特設サイト」が設置されました。 「あかつき」プロジェクトメンバーの手によるこちらのサイトとはまた違った角度から様々な情報を取り上げ、 打ち上げまでのカウントダウンを盛り上げていきます!ぜひご覧ください。
また、前回のPLANET-Cニュースでご紹介した「サイエンス・ニュース・ネットワーク」 において、「ニュース:金星探査機あかつきリポート」の最終回が2/17に公開されました。 こちらも合わせてご覧ください。
リンク:
- JAXA | あかつき特設サイト
- サイエンス・ニュース・ネットワーク
- 第44回(2010/02/17配信) ニュース:金星探査機あかつきリポート第6弾
2010年2月16日
サイエンス・ニュース・ネットワーク
JST 科学技術振興機構が企画・製作するインターネット配信の科学ニュース番組 「サイエンス・ニュース・ネットワーク」で、 金星探査機あかつきが紹介されました。
この番組は2009年11月から配信されており、その第13回(2009/12/7配信)、第24回(2010/1/1/配信)、 第35回(20101/27)、第38回(2010/2/3)、第41回(2010/2/10)に 「ニュース:金星探査機あかつきリポート」としてプロジェクトのメンバーが登場し、 金星探査機「あかつき」との関わりや金星や探査にかける思いなどをお話ししました。 近日公開の最終回には、プロジェクトマネージャ中村が登場予定です。 また、1月の熱真空試験の準備など総合試験のリポートもあり、現場の空気が伝わってきます。 ぜひご覧ください。
リンク:
- サイエンス・ニュース・ネットワーク
- 第13回(2009/12/07配信) ニュース:金星探査機あかつきリポート第1弾
- 第24回(2010/01/01配信) ニュース:金星探査機あかつきリポート第2弾
- 第35回(2010/01/27配信) ニュース:金星探査機あかつきリポート第3弾
- 第38回(2010/02/03配信) ニュース:金星探査機あかつきリポート第4弾
- 第41回(2010/02/10配信) ニュース:金星探査機あかつきリポート第5弾
2010年1月29日
総合試験実施中 170日目
「あかつき」は5つのカメラによる観測の他に、 探査機から送信されたのち金星大気をかすめて地上局に届く電波を使って、大気の構造をさぐります(電波掩蔽)。 周波数がよく安定した電波が必要となるため、超高安定発振器(USO)という特殊な信号源を搭載し、 この出力信号を探査機の送信機を介して地球に向けて送信します。
写真は、熱真空試験の途中で、真空容器内の「あかつき」からUSOによる信号を取り出して、 その周波数の安定度を測定しているところです。 白い大きな筒のようなものが「あかつき」を収めた真空容器です。 (JAXA今村剛)
2010年1月27日
総合試験実施中 168日目
昨年6月に始まった総合試験もついに終盤戦。 現在は最後の山場である熱真空試験を実施しています。 この試験では、探査機が宇宙に行ってからの真空状態・温度環境を模擬し、 その中で探査機が正常に動作することを確かめます。 探査機をIRパネルという温度調整用のヒーターが取り付けられた黒い箱の中に入れ、 更にその箱ごと大きな真空チェンバーの中に入れて試験を行なっています。
1月14日、いつものクリーンルームからチェンバ室に金星探査機あかつきを移動しました。 パノラマ写真(左)は移動直後のチェンバ室の風景です。 写真の中央に探査機を載せる作業用の台があり、IRパネルを取り付けているところです。 左側には運ばれてきたばかりのあかつきが見えます。 また、右側の透明なカーテンの奥が真空チェンバー下のクリーンブースです。 クリーンブース内の黒いステージは真空チェンバーの下蓋になっており、 探査機はこのステージごと2階の高さまで上げられ、チェンバ内に収められます。
チェンバ室への移動後、試験用の器具の取り付けが行なわれました。 写真(中・右)は、1月18日のIRパネル取り付け時の様子です。 この日から熱真空試験が終了するまでの間は、 試験をしているプロジェクトメンバーでさえ あかつき の様子を目で見ることはできません。
1月22日に真空チェンバーの蓋が閉じられ、24時間体制の熱真空試験が始まりました。 2月1日までの約10日間かけて、金星周回軌道上での観測時、地球との通信時、 さらに地球から金星への飛行時の3つの温度モードでの試験を実施します。 (JAXA大月祥子 / 写真・JAXA山田学)
2010年1月8日
総合試験実施中 153日目
あけましておめでとうございます。 2010年です。 10年以上の年月をかけて歩んできたPLANET-C(あかつき)が、ついに今年、金星へと旅立ちます。 今まで以上に皆さまの応援がプロジェクトを支えてくださる年になると思います。 今年もどうぞよろしくお願いいたします。
あかつきプロジェクトでは1月4日より今年の作業を行なっています。 今週の作業で再び上部パネルが衛星本体に組み付けられ、この後はもう取り外すことなく残りの試験を進めます。 総合試験も残すところ約2ヶ月。 打上げの年になったことを実感する毎日です。
メッセージキャンペーンは 1月10日が締切です。皆さまのご応募をお待ちしています! (JAXA大月祥子)